15歳~18歳の高校生でも一人暮らしができるか……ということについては以前考察しました。結果「条件付きでできる」ということを、以下の記事で書いています。
しかし高校生ではなく、フリーターや会社員など働いている場合はどうでしょうか。簡単とは言いませんが、結論としてはこちらも様々な条件が揃えば不可能ではありません。
本ページでは、賃貸契約・入居審査・現実性・注意点などを詳しく見ていきたいと思います。
定時制や通信制の高校生で働いている方も、本ページを参考になさってください。
超えるべきハードル
そもそもの法律的には、15歳~18歳での一人暮らしを禁止する条項はありません。逆に言えば禁止されていない=法律で認められているようなもの。とはいえ「なら簡単ですね」とはいかないのが現実です。
現実的な問題として、親の同意や金銭面、入居審査等の様々なハードルがあります。どんなハードルを越える必要があるのかを、一つずつ見ていきましょう。
親の説得・同意を得られること
15歳~18歳は未成年です。そのため、自分一人で部屋の賃貸借契約を行うことはできません。親の同意および、その証として同意書に署名・押印をしてもらう必要があります。
加えて親に連帯保証人になってもらうケースや、緊急連絡先として管理会社から電話連絡が入ることもあります。
ですので親の同意は基本的にマスト。最初の乗り越えるべき一大ハードルと言えるでしょう。
もしもまだ親の同意が取れていない場合は、まずはここをクリアすることから始めてください。15歳~18歳での一人暮らしは親も心配すると思いますので、すぐに認めてくれるとは限りません。準備期間をとってじっくり説得するのも良いかもしれませんね。
初期費用&当面の毎月の生活費も払えること
不動産の賃貸借契約時には、数十万単位のお金がかかります。また、家具や家電、諸々の消耗品など、とにかくたくさんのお金がかかるもの。さらには毎月の家賃や水道光熱費、食費等の生活費もかかります。
それを誰が支払うのか……当然一人暮らしをする自分ですよね!?
目安として3ヶ月以上、現在の貯金で生活できる程度のお金を貯めておくのがお勧めです。一人暮らしにかかる費用に関しては、以下のページでまとめていますので参考になさってください。
不動産の入居審査に通ること
賃貸物件の契約前には入居審査があります。審査は申込者の職業や勤続年数、年齢、その他を総合的に考慮にされ決まるもの。この際15歳~18歳と若すぎることが、そもそもの不利になる要因となります。
なぜなら大家さんはできるだけ差し障りの無い入居者を求めるから。同じ貸すなら、ごく普通の職業・年齢の人に貸す方が安心できるのです。
審査に関しての詳しい話は後ほど触れますが、この審査に通らないと一人暮らしは原則的にできません(※)。とは言えこの年齢だと絶対ダメということではなく、大家さんによってはOKしてくれることもありますので元気を出してください。
一人で生活していく覚悟があること
一人暮らしは生活に関することを自分で行わなければなりません。特に大変なのは家事。例えば掃除・洗濯・料理・買い物等など、慣れない内は大変です。お金で解決できることもありますが、基本的には自分でやっていく覚悟が必要です。
また、お金に関することも自分で管理します。家賃の支払いに遅れて大家さんに迷惑をかけるなどはもってのほか。各種支払いを滞ること無く円滑に生活できるように、収入と支出を管理しなければなりません。
なんでもやってくれていた親元生活とは大分違います。これらを一人でやる覚悟が大事です。……まあ私も10代で一人暮らししましたが、実際やらざるを得ないので覚悟は後からでも付いてきますけどね。
「やっぱ無理だった。実家に戻らせて、テヘッ」なんてことはカッコ悪すぎてなかなかできませんので。
不動産の入居審査が通りにくい理由
先ほどのとおり、15歳~18歳は成人した大人と比べ、賃貸の入居審査に通りにくいことがあります。その理由を改めて詳しく見ていきましょう。
15歳~18歳での不動産契約はレアなケース
そもそも15歳~18歳&お勤めの方という状況が、不動産契約としてかなりレアなケース。つまり浮く存在だということがあります。
文部科学省のデータによると、中学からの高等学校等進学率は98%で就職率はたった0.4%という数値。フリーターを入れたとしても1%前後=100人に一人前後でしょう。高校を中退してから働きに出る数を合わせるともう少し多いと考えられますが、それでも100人に数人程度でしょうか。
さらにその中から一人暮らしをしたいと考え、そして実行できる経済力のある人は……となるとかなり少ないことは想像に難くありません。
よって大家さんもこんなに若い人に部屋を貸した経験が無い……というケースも考えられます。経験が無い、つまり初めてということは予測がつかない恐さがあるもの。近隣住民とトラブルを起こさないか、延滞無く家賃を払ってくれるか心配する大家さんもいるでしょう。
大家さんは商売で部屋を貸しています。商売の基本は不要なリスクを避けること。社会人として未成熟な(大家さんから見て)子どもに貸すよりも、ごく普通の大人に貸した方が安心なのです。
ちなみに私が大家の立場なら、15~18歳のころの自分にはあまり貸したいとは思いません(汗)。実際その頃は社会人としての経験・常識が全く無かったからです。問題は起こしませんでしたが……。
世間の偏見もある
15歳~18歳は全日制高校に通い勉学に励むもの。そういったステレオタイプな思い込みがある人はいます。そうしていないのは訳ありなのでは!?、という世間の偏見もあるでしょう。
確かに訳はあるかもしれませんが、いろいろな事情により15歳~18歳で働いている人がいます。
- 家庭の事情で高校に進学できなかった
- すでに一生やりたいと思える仕事がある
- すぐには叶わなくても夢に向かって全力で突き進むため
- 身体的な事情で高校に行けなかった
- いじめで高校を中退した
- 勉強するのが嫌で高校に進学しなかった
- 高校でトラブルを起こし中退した
この中で、問答無用でこの人にはちょっと貸したくないな……と思うような人は少ないですよね!?にもかかわらず、高校に行かない人=不良のようなイメージを持つ人もいるのです。
こういったイメージを覆すためには、立ち居振る舞い・言動をしっかりし、不動産屋を味方に付けることが大事です。間違っても派手なバイクで乗り付けて、刺繍入りのスカジャン・茶髪・ため口なんてしてはだめですよ。
イメージを覆すよりも、偏見の少ない大家さんを探した方が早いかもしれませんが。
とにかく若すぎるという問題
15歳~18歳の当人には分かりづらいと思いますが、大人から見るとこれらの年齢は本当に子どもです。世の中を分かっていません。
「なにおう!」と思われるかもしれませんが、これは年齢を重ねると分かります。私の例を挙げると、こんな感じです。
- 40の頃の私は、30の私と比べて大人になったと感じました
- 30の頃の私は、20の私と比べて大人になったと感じました
- 20の頃の私は、15の私と比べて大人になったと感じました
実際こんなものなのです。何年経っても以前の自分は今の自分よりも未熟に思えるもの。たった10年前でもそう思うくらいですから、今の私が15~18の頃を思い返すと、何も世間を知らないクソガキレベル。当時はそれなりに大人なつもりでしたが、人生の先輩から見ればそんなものなのです。
大家さんは高齢の大家さんも多いですから、言わば人生の大先輩な大人。「若すぎるけれど大丈夫かな」と思うのはしかたのないところです。
アパート・マンション生活は、一人暮らしであって自分一人だけではありません。騒音等のトラブルを起こさず、周りの入居者と協調し問題無く生活できそうな人であることを分かってもらう必要があります。
先ほど、「立ち居振る舞い・言動をしっかりすること」と書きましたが、ここでもそれが有効です。
安定収入と見なしづらい
賃貸契約の条件として、原則的に「安定した収入」が必要です。安定というのは抽象的ですが、雇用形態・働き方や勤続年収が指標となります。
雇用形態には以下のようなものがあります。
- 正社員
- 契約社員
- 派遣社員
- フリーター
- 無職
下に行くほど安定度(信用度)が下がります。まず無職は論外で、その場合は親名義での契約でないとできません。フリーターもこの年齢だとなかなか厳しいですね。
なら一番上の正社員で働いていればいいのか!?となると手放しで良いとも言いづらいです。ここでもう一つの指標となる勤続年数をご説明します。勤続年数は安定した収入の証。長ければ長い方が良いです。
15歳~18歳であれば勤続年数が0~3年の間になってしまうのは必然。0~1年なら年齢を考慮しなくても短い年数です。
しかも30代・40代と異なり、若い頃は一生の仕事でないことがほとんどです。本当にやりたいことなんてなかなか見つかりませんからね。後に転職を繰り返すであろうことが予想されるため、同じ勤続年数でも、大人のそれとは同じでは無い。つまりは安定収入と見なしづらいのです。
一度契約して貸してしまうと退去させるのが難しい
先ほどのとおり、大家さんは「若すぎるけれど大丈夫かな」「ちゃんと家賃を払ってもらえるかな」等と不安もあります。
その不安を助長させてしまうのは、一度入居させてしまうとなかなか出て行ってもらうことが難しいということもあります。何ヶ月も延滞していても、なかなか出て行ってもらえない、強制退去もできず泣き寝入り……なんていう大家さんがテレビで特集されていたりするくらいですので。
ですので、大家さんが審査時に慎重になる気持ちは分かってあげましょう。
おまけ:同棲したい場合の審査は!?
本ページでは一人暮らしが前提ですが、同棲をしたい場合もほぼこのページに書いてあることが当てはまります。
ただ、結婚もしていない若すぎるカップルの同棲に対し、余計に気がかりになる大家さんもいるでしょう。別れたら賃貸契約を解約されることも多いので、より審査に不利になる可能性を見込んでおいてください。
一方、すでに結婚している場合は別です。奥さんや子どもがいたら、勢いで仕事を辞めたり等、無責任なことってできないですよね?結婚=責任が生じる契約ですので、社会的信用を向上させるものなのです。
もちろんそれでも偏見がある大家さんもいるでしょうが「この歳で決断して男らしいな、偉いな」と、むしろ応援してくれる大家さんもいるかもしれませんね。
物件の探し方
親の承諾も得られお金の算段もついたら、実際に賃貸物件を探す段になります。物件をどう探したら良いか見ていきましょう。
ネットで下調べして相場を知る
まずは住みたいエリアでの相場を知ることが肝要です。相場を知るのに最も都合が良いのがネットの賃貸情報サイト。SUUMOやライフルホームズなどが有名ですね。
これらのサイトには、不動産屋がたくさんの物件を掲載しています。ライバルに負けじと複数の業者がこぞって情報を掲載するため、リアルの不動産屋とそれほど遜色ない情報が得られる。しかも自分の都合で見られるのがメリットです。
まずはこれらの情報をチェックし、これくらいの広さや設備ではいくらぐらいかかるんだ……という相場感を掴んでみてください。加えて自分の払える金額の範囲内で、家賃や設備などの要望をまとめると良いでしょう。
地元の不動産屋に頼るのがお勧め
相場を知った後、本格的に探す作業に移ります。一般的な賃貸物件の探し方のお勧めは、そのままネットから希望の物件を問い合せするのが一番です。
……なのですが15歳~18歳のフリーター・会社員等の場合は微妙なところ。審査的にちょっと気になる所もありますから、個人的には地元の不動産屋さんに相談されることをお勧めします。
地元の不動産屋さんは、地元の大家さんと強い結びつきがあることも多いもの。過去に10代&お勤めの方の入居がOKだった物件や大家さんの情報もあるかもしれませんしね。
もちろんネットにある情報が地元の業者さん提供のものでしたら、ネットから問い合せても問題ありません。
不動産屋には保護者と一緒に行く
不動産屋に行く際は、かならず親などの保護者と一緒に行ってください。なぜなら不動産屋の力の入れ具合が違うからです。
繰り返しになりますが、未成年者は基本的に親の同意が無いと賃貸契約ができません。つまりは未成年者一人で行くと契約ができない=無駄な案内になってしまう可能性があることから、不動産屋の本気を引き出すのが難しいのです。
よほど暇な場合は別ですが、時には「親御さんと一緒に来てください」と言われてしまうこともあるかもしれません。童顔の場合は特にです。ちなみに私の場合もそうでした。
ということで、不動産屋に本気を出してもらうには、契約の鍵を握る親・保護者と最初から一緒に行くのが一番です。親・または保護者にとっても大事なことですから、お願いして一緒に付いてきてもらいましょう。
できれば1月~3月は避ける
1月~3月は不動産の繁忙期。人事異動や4月からの新生活のため、たくさんの人が不動産屋に訪れます。いわばこの時期はどこの業者も入れ食い状態なのです。しかし不動産屋の案内客席やスタッフは限られています。
そのため不動産屋も、できるだけスムーズに契約が決まりやすそうな人(問題無く入居審査に通る人)に時間を使いたいと考えるもの。不動産屋は営利企業ですから、これは当然のお話ですよね。
先ほどのとおり15歳~18歳のフリーター・会社員はかなりのレアケースです。審査に通る・通らないも物件により定かではありません。ですので優先度を下げられてしまうこともありえます。
不動産屋が暇なときに行くだけで親切にしてくれる可能性が高まる。であれば急ぎで無いならそうしない理由はありません。できるだけ繁忙期は外してお部屋探しをすると良いでしょう。逆に閑散期の6月~7月はお勧めですね。あと、土日よりも平日の方がやはり空いていることが多いです。
個人的な例ですが、「この資料で好きなの探してください」とバインダーを渡され、ほったらかしにされるようなこともありました。予約していかなかったのもいけないのですが。
不動産屋での身なり・言動には注意しよう
ただでさえ審査が気になる15歳~18歳の賃貸契約。その審査の可能性をできるだけ上げるためにできることがあります。審査に可否に大きく影響することもありますので、必ず知って臨みましょう。
担当者を味方に付けることが大事
不動産契約を有利に進めるためには、不動産屋の接客担当を見方につけることが肝要です。これが最重要の基本原則とお考えください。
なぜなら、管理会社や大家さんと交渉・説得するのは自分ではなく、その担当者だからです。担当者の頑張り次第で、結果が変わることもあるといっても大げさではありません。
私が思うに、見方に付けるためには以下が影響してくると考えます。
- 相手に好印象を与えること
- 応援したくなるような要素があること
1は後ほど書きますので2からお話しします。不動産屋に初めて行ったとき、一人暮らし(引越し)の理由などをヒアリングされるのですが、理由が理にかなっていることも大事。
例えば理由が「引越しは職場にできる限り近くに住むため。ヴァイオリン職人の仕事を見て感銘を受け、自分もこの道でやって行きたいと強く思い、親方の元で学ぶために高校に行かずに就職した。」なんて筋が通ってますし応援したくなりますよね!?
↑は耳を澄ませばの天沢聖司を参考にしました。
逆に「引越しの理由はなんとなく。教師を殴って高校を中退になり、親元は居心地悪いだし」なんてマイナスにしかなりません。こういった場合、嘘にならないレベルで答えておくのが良いでしょう(まあぼかせば相手も察するでしょうが)。
いずれにしても、応援したくなる要素があればベスト、最低でも不快にさせないことが大事です。
お店に入った時の言動や立ち居振る舞いから見られている
良い不動産屋さん・良い担当者さんほど、お客さんのことを観察しています。例えばお店にやってくる時のクルマやバイク、話し方、服装、立ち居振る舞い等など。
なぜかというと、問題のあるお客さんと契約するわけにはいかないからです。問題のあるお客とは以下のようなもの。
- 家賃を延滞する
- 近隣住民とトラブルを起こす
- 無理難題なクレームを付ける
- お金を払う借り手側が神様だと思っている
- 神経質すぎる
- 常識が通用しない
つまるところは大家さんに迷惑をかける可能性のあるお客、ということになりますね。このようなお客と契約や仲介をしてしまうと、大家さんや不動産管理会社に迷惑をかけます。ひいては信用問題に発展する可能性もあるのです。
ずさんな会社であれば「契約が決まればいい」と思うかもしれません。ですがきちんとやっている良い不動産屋ほど、あなたの事をしっかりと見ているもの。逆に言えば、見られているからこそ好印象を相手に感じさせることも可能なのです。
具体的な言動・立ち居振る舞い・服装など注意する点
言動や立ち居振る舞いというのは抽象的でしたので、注意するポイントをもう少し具体的に書きます。最低限で言えば、大人として違和感が無い「普通」であればOK。さらに真面目さを出せればより好印象です。
入店前・退店時
思いのほか、見られていることがあります。車やバイクで不動産屋に行く場合は、奇抜なものは止めましょう。シャコタン等の改造車や、派手な装飾はもってのほか。普通であればいいです。その普通が難しい場合は、自転車や徒歩で行った方がまだましです。
外見・服装
茶髪・金髪・ピアス・派手なアクセサリー・派手なメイク・派手な服以外であれば問題ありません。清潔感が感じられるといいですね。かといって年齢にそぐわないスーツなどは似合わなければ逆効果ですのでご注意ください(若すぎてたぶん似合わないかと)。
言動
まず敬語は絶対です。絶対にため口などはいけません。お客とは言え15歳~18歳にため口をきかれればまともな客とは思ってもらえないでしょう。時折でるため口も感じが悪いですね。とは言え固くなりすぎないように。自分で話す以上に、担当者のアドバイスにも耳を傾けましょう。
また、極度に落ち着きが無いなどは違和感の元です。落ち着いて対応してください。
表情
人に好印象を与えるためには非常に重要です。無表情ではなく、笑って良いポイントではにこやかな笑顔をまじえてください。笑顔は万人に対して好印象を与える最強の方法です。
大家さんが立ち会う場合は特に要注意
物件の見学(内見)をしていると、大家さんも立ち会ってくれたり、説明してくれたりることがあります。個人的にそれほど頻度は多くありませんでしたが、こういった物件は大家さんが同じ建物に住んでいたりなどで(物理的にも心理的にも)距離が近い場合が多いですね。
大家さんとしても、どんな人が入居する可能性があるのかを見ています。特に言動・振る舞いには気をつけましょう。
とは言っても、コツは不動産屋の担当者さんとやりとりするときと同じです。加えて「こんにちは、○○と申します」「よろしくお願いします」など挨拶をしておけばOKです。
申込・審査について
いざ申込・審査の段についての諸々の留意点などを解説します。
申込者の名義
賃貸契約の申込者の名義は、以下のいずれかになります。
- 本人
- 親・保護者
申込者の名義=通常は支払い者の名義を意味します(大抵は口座からの引落)。
自分の部屋なので家賃は自分で払いたいのですが……
当然家賃は自分で払いたいと思うので、最善であれば本人名義ですよね!?不動産屋と相談して、可能であればもちろんそれで良いと思います。
ただし本人の支払い能力が低い場合、親に契約してもらうのであれば審査申込可……という状況もあるはずです。このあたりは不動産屋さんのアドバイスを聞きながら決めると良いでしょう。
親名義になる場合、毎月親の口座から引落になるので、その額を親に支払い……ということになるでしょうか。
連帯保証人は誰になる!?
連帯保証人=何かあったときに家賃を支払ってくれる人です。昔はこの存在が必須でしたが、今日においてはそうでもなくなりました。というのも、家賃保証会社を利用する割合が年々増加しており、「連帯保証人は不要ですから家賃保証会社を利用してください」という不動産管理会社が増えているからです。むしろそれが契約の条件という場合もあります。
もちろん有料(例えば家賃の半月)ではありますが、連帯保証人が不要になるのは大きなメリットと言えるでしょう。
もしも家賃保証会社を使わずに済む場合は以下です。
本人名義の申込 → 連帯保証人は親・保護者
なお、親名義での申込時は、親に対する連帯保証人は付けづらいです。そのため家賃保証会社の利用をお願いされる可能性が極めて高いでしょう。
審査は通る!?難しい!?
これまで、審査はそれなりにハードルがあることを書いてきました。しかしながら通る・通らないは本人の状況や、大家さん・不動産管理会社・賃貸保証会社など複雑な要素が絡み合うもの。実際申し込んでみないと何とも言えません。
ちなみに、いざ申込をする段にまでいけただけでもありがたいものです。箸にも棒にもかからない場合は門前払いということもありますからね。ですので、まず審査まで持って行けた場合は第一段階突破ということになります。
その後の本審査がどうなるかは、先ほどのとおりわかりません。落ちたら落ちたで仕方が無い、というくらいの気持ちで望むのが良いですよ。
タレントのウエンツ瑛士さん程の人ですら審査に落ちることがある位ですから、気にしたら負けです。
どうしても審査に通らない場合
気に入った物件が通らなかった、という状況になることも当然ありえます。ここでは、どうしても審査に通らない場合の対策を考えてみたいと思います。
交渉次第で通ることもある
家賃保証会社や不動産管理会社ではなく、大家さんの判断で通らない場合。大抵は審査NGの理由すら教えてくれませんが、不動産屋が懇意にしている大家さんは例外もあります。この場合、交渉次第で通る可能性もゼロではありません。
どうしても……という物件であれば、
- 「親の連帯保証人と保証会社の両方を付けてもだめですか」
- 「とても気に入っていて、礼金1なところを2でも申し込みたい」
- 「ご心配でしたら敷金を積み増しもできます」
等、大家さんにメリットがある交渉の余地が無いか、担当者に聞いてみるのも手です。言うだけであればただですしね!
もちろん交渉できないこともたくさんありますので、担当者さんの反応を見て検討してみてください。
違う家賃保証会社を利用する
大家さんはOKなんだけど、家賃保証会社の審査が通らない場合。今日では1つの不動産屋が複数の家賃保証会社と契約をしていることもめずらしくありません。
公益財団法人日本賃貸住宅管理協会の2019年のデータによると、全国平均で3社以上契約しているとのこと。会社が違えば審査も違います。別の賃貸保証会社を利用すれば、審査に通る可能性もあるということになります。
私が不動産屋に聞いた話では、やはり通りやすい会社とそうでない会社があるようです。
他の物件に申し込む(多少の妥協は必要)
物件が変われば家賃や大家さん・管理会社も変わることがほとんど。希望の物件が無理だったからといって、一人暮らし生活を諦める必要はありません。ダメだった物件のことは忘れて次に行ってください。
ただ、なかなか決まらない場合は、多少の妥協は必要になってくるかもしれません。よりどりみどりの立場ではありませんので、絶対に譲れない条件は抑えたまま条件の妥協をしてみるのも手です。
特に長い間空き室になっている不人気物件は、大家さんも客を付けたいと切望している場合も。この場合、当然審査も甘くなる傾向にあります。
19(早生まれなら18)歳になるまで待つ
不動産会社にとってレア度が特に高いのは、15歳~18歳の、一般的には高校に通っている年齢です。高校を卒業しての一人暮らしであれば、レア度は大分下がってきます。
文部科学省の平成31年3月高等学校卒業者の就職状況を元に計算すると、国立、公立、私立の高等学校(全日制・定時制)の卒業で17.3%が就職しているということになります。約5.8人に一人は就職しているというわけです。中学卒で就職は100人に1人未満でしたが、比べると決してレアでは無くなりますよね!?
ですので大家さんから見た違和感も、19歳程度になれば多少和らぎます。一人暮らしが特に急ぎではない場合、そこまで待つのも手かもしれませんね。その間しっかりと貯金ができれば一人暮らしの質も高まりますし、勤続年数も増やせますから待てるのであれば良いことずくめです。
本当に「今」一人暮らしが必要なのか改めて考えてみると良いでしょう。
親の協力を得る
先ほどもちらりと触れましたが、親名義での契約であれば審査に通る可能性もまた変わってきます。本人の収入が10万以下など低い場合や、勤続年数が短い場合は特にです。
個人的には15歳~18歳は、まだ親に頼ってもいい年齢だと思いますよ。きちんと親にお金を返済することで、親に対する信頼を得ることもできると思います。
もちろん親名義にしても即審査に通る……というわけではありませんのでご注意ください。
他の不動産屋に行ってみる
不動産屋の担当者もピンキリです。親身になって探してくれる担当者もいれば、そうでない担当者もいる。これについては人が係わる商売なので仕方ありません。
もしも担当者がハズレだと感じたら、他の不動産屋に行くことも検討してみましょう。新たな不動産屋ならでの物件を紹介してもらえる可能性もありますしね。
ただ、こちらが本気で無いと相手も本気で探してくれません。ダメだったら他の不動産屋に行けばいいやという気持ちではなく、都度「ここで決める」という意気込みで臨む。その方が、相手も一生懸命になってくれやすいはずですよ。
まとめ
15歳~18歳のフリーターや会社員などお勤めの方が一人暮らしできるのか、ということについて書きました。大きく分けると、
- 親の承諾
- お金
- 賃貸契約(審査)
の3点が肝になりますね。論理的に可能ではありますが、全て揃うのはそれなりに難しいと言えます(だからこそ不動産屋もレアと感じるのかと)。
本文でも書きましたが、18~19歳くらいまで待つことができれば難易度は少し下がります。個人的には無理に一人暮らしを急がずとも、充分にお金を貯めてからでも遅くはないようにも思うんですよね。
とは言え「一刻も早く独り立ちしたい」という気持ちは抑えられないもの。お金さえ用意できれば絶対に無理ということはありませんので、ご希望の方はトライしてみてください。
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