私は乾麺が好きです。保存性に優れますし、何よりお値段的に安いものも多く、節約にも繋がるのでいいことずくめ。が、しかし!
お湯を沸かす時間と茹で時間が長過ぎ。その分、光熱費も高そうなので気になる……。
と常々思っていました。
どうにかならんかと、あるときパスタを水に漬けてから茹でたらどうだろうと、思いつきでやってみたら大成功。ものの2~3分でパスタが茹であがることが分かり、以来ずっとやっています。
ひいては主食として、節約的観点からもコスパ的に最強レベル。もはや普通に茹でることは、急ぎ時以外なくなってしまいました。
本ページでは、パスタに限らず乾麺(半生麺も可能)を水に漬けると良いよ!ということ。そして意外とコツがあるよ、ということをご紹介したいと思います。
水漬け調理法は、手っ取り早く&安く食べられれば良いという方など、一人暮らしに最適な調理方法ですよ♪
水漬け調理法とは!?
水漬け調理法をご存じない方向けに、まずはざっくりとご紹介したいと思います。すでにご存じの方は、こちらをクリックして次項に飛ばしてください。
数時間水に浸してから茹でるだけ
実際は細かい“罠”がありますが、概要を説明するだけなら「水にしばらく漬け置いてから茹でる」。ただそれだけの調理法です。
乾麺は水に浸すことで水分を吸い、先ほどの画像のようにふにゃふにゃになります。そうすることで結果として茹で時間を大幅に短縮できるというもの。
麺の種類・太さ・浸す時間にもよりますが、おおよそ1/3前後くらいにはなるでしょうか。
美味しいけれど8~10分くらいかかって面倒なパスタやうどん。これらも、2~4分前後くらいでOKになります。
カピカピのご飯つぶでも、水に浸しておけばふやけますよね。大体そんなイメージです。
水漬け調理法のメリット
茹で時間が短くなるということには触れましたが、改めてメリットを挙げてみましょう。
- 調理時間を短縮できる
- ガス代(IHなら電気代)を節約できる
- 人によっては好みの食感になることも
1と2は、茹で時間を短縮できることに起因します。これだけでも、さっと食べたい一人暮らしな方ならウェルカムなことこの上ありません。
3は、茹でる物にもよりますが、例えばパスタなら生パスタっぽい食感になるので好き……という人もいるようです。良くも悪くも、普通に茹でるよりもちょっと食感が変わることが多いですね。
水漬け調理法のデメリット
良いことだけではなく、以下の様なデメリットもあります。
- 下手をすると激マズになる
- 上手くやっても物によってはどうしても味は落ちる
- 衛生面には気をつける必要がある
1は、水漬けすることにより、ちょっと作り方を間違えるとヌメヌメの激マズになることもあるので注意が必要です。そのあたりは後述しますね。
2は、きちんとした正規の手順で作るよりも、全体的にはやや味(というより食感)は落ちることはいなめません。種類によりますが、特にうどんや蕎麦などは感じやすい気がします。
3は、例えば夏場等、長時間常温の水に浸けておくと雑菌が繁殖する可能性があるということです。2~3時間くらい水道水で浸けるくらいなら、汚れた手で触るなどしなければ問題になることはほぼないでしょう。
水漬け調理ができる麺は!?
どんな乾麺が水漬け調理できるかと言えば、基本的にほとんどいけます。……が、調理時間の短縮が主な目的ですので、茹で時間がかかるものが向いているでしょう。
例えば以下は、茹で時間を短縮したい王道ですね。
- 乾燥パスタ
- 乾麺うどん
- 半生うどん
特にパスタは水漬け調理とは最高の相性で、むしろそれが美味しいという人もいるかもしれません。うまく作れば、味的にもそれほど問題ないですよ。
水漬け調理パスタは生パスタに近くなる食感でうまい!と感じる方もいるようです。
対して、あまりむいていないと思うのは以下です。
- 麺が細い乾麺
- 茹で時間が短い乾麺
例えばそうめんなど、あまりに茹で時間が短すぎるものは「普通に茹でた方がいいじゃん」となります。加えてべたつきやすいですしね。
豚骨ラーメン等のように細いものも、切れやすいのであまり向きません。
水漬け調理法のコツ
ただ水漬けするだけだと、先ほどのとおりヌメヌメになったり、切れてしまったり等で失敗します。
ここでは水漬け調理のコツをご紹介します。
特に“ぬめり”はマズくなる諸悪の根源です。
浸し中は必要以上にさわらない
水が浸透して、麺が柔らかくなるまでは、あまり箸で触らないことが重要です。でないと、折れたり切れたりします。
触るのは、水に全て浸からない容器の場合に、ときおり浸かるように位置をずらすときくらい。
もしくは茹でる際、鍋に移すときのみ触るくらいにしておきましょう(後述しますが、別鍋で茹でます)。
全て水に浸かる容器があればベスト
先ほどのとおり、全て水に浸からない場合、途中で麺を動かし浸かるように調整する工程が必要です。
必要以上にさわらないことにも関連しますが、容器に押し込もうとするとパキッと折れやすいですね。
容器が小さいと起こりやすいので、できれば全て浸かる大きさの容器があればベスト。
入れてそのまま放置できるので断然楽です。
浸す水を減らすためには、浅いフライパンや、100均のプラ容器などがお勧めです。
麺は折って入れてもOK
先ほどのとおり、水に浸かる大きな容器が無ければふやける過程で押し込む必要があります。
それが面倒な方は、半分に折って入れるのも一案でしょう。
例えば最も長いのはパスタですが、半分に折れば大抵の鍋に入ると思われます。
画像のように、25.5cmのフライパンでも余裕です。
ただ、
- 折る際に破片が飛び散る
- 折るのは人によっては言語道断
などあるので、飛び散っても良い&食べる人が気にしない場合に限ります。
おまけですが、以下はイタリア人の前でパスタを折ってしまったYoutube動画です。イタリア人は折るのは違法(笑)と比喩するほどで、こだわる人がいるということですね。
できれば別鍋でお湯から茹でる
フライパンや鍋などで水に浸した場合、調理の際はそのまま火に掛け、茹でてしまいたくなるところです。……が、これは可能であればしない方がよいです。
というのも、茹で時間が長くなることでデンプンが溶け出すため、
- べたべた・ぬめりが出る
- 麺がくっついてしまう
ということに繋がりやすいからです。
これでもうまく茹でられることもあるのですが、ものによってはクソまずくなることも。
面倒でも別の鍋でお湯を沸かしてから茹でるのがベストです。ちなみに水漬けに使った容器・調理器具は、油汚れは無いのでさっと水に流すだけで十分と思います。
完全に沸騰したお湯から茹でる
お湯は、ボコボコ沸騰している状態にしてから茹でるのがベターです。水から火に掛けない理由と同じで、お湯の温度が低い状態が長くなるほど、ぬめりが出やすいからです。
お湯の量は状況に応じて変える
そもそものお湯の量は、以下の観点から多ければ多いほど良いです。
- 麺投入時の温度低下が減り、ぬめりを防止できる
- ぬめりはお湯が多い分希釈される
教科書的に言えばお湯が多いのが良いのは分かってはいても、それだと当然沸かすまでに時間もかかります。
となると節約目的には反してしまうので、何のために水漬け調理をしているのかわからなくなりますよね。
自分は節約のためにやるんだ!
という方は、お湯はめっちゃ少なめでもいけます。
お湯を少なめにした場合、次項で説明する「洗う」行程を加えることで美味しさを向上させられることが多いですよ。
必要に応じて洗う
茹でるお湯の量が少ないと、どうしてもぬめりは出やすいです。
ひいては以下の様な弊害が出やすくなります。
- ヌメヌメで炒められない(焼きそば・焼きパスタなど)
- 麺の臭みが残る(あまり香りがよくない麺など)
- スープにぬめりが移る(ラーメン・うどん・蕎麦など)
こういった際は、茹でた後、一度水やお湯で洗うと改善できることがあります。
個人的には冷やしで食べるなら冷水で洗うのはむしろ麺がしまるのでお勧め。
温めて食べる場合はお湯の方がいいかもですが、都合良くお湯があるわけでもないので、水で洗ってからつゆと一緒に温め直すのも良いでしょう。
いずれにしても洗ってから水切りして使えばぬめりがとれるので、より美味しくなることは間違いありません。
製品により向き不向きがある
先ほどのとおり、パスタは最も水漬け調理が合う乾麺だと考えています。……が、どうにも相性が悪いパスタがあるのです。
同じく作っても以下のような製品に出くわすことがありました。
- 粘りが出やすい製品
- なんだか美味しくない製品
何度やってもしっくりいかない製品があるのです。
まあ今ではほぼ水漬けパスタしか作らなくなったので、「なんだか美味しくない製品」=「ただまずいだけ」かもしれませんが。
少なくとも言えるのは、ダメな製品は諦めること。そして一度ダメだと思っても、水漬けがだめとは決めつけずに、別の製品でやってみても良いかと思います。
これは不向きなパスタ、というのがあり、買わないようにしています。
2022/07/04追記:TOPVALUのパスタが超絶向いていると思いましたので別途記事にしました。
実践例
ここでは、最も代表的なパスタを例に実践していきましょう。
水に浸す
浸す時間は、パスタならできればできれば2時間以上は浸したいところです。私は最長一晩浸したことはありますが、問題ありませんでした。
パスタは衝動的に食べたい!となるので、現実的には2~3時間がほとんどです。浸す時間が短いと茹で時間は増えますが、それでも普通に茹でるよりは時短になりますよ。
前述したとおり、パスタは麺が長いので最初から全て水に浸すのが難しいこともあります。その場合、
- 片方だけ浸す(片方だけ柔らかくなる)
- 1時間前後くらいしたら逆を浸す(もう片方も柔らかくなる)
- 全体が柔らかくなったところで全て浸す
とすることで、そこまで大きくないフライパンでも可能です。以下画像は、25.5cm径のフライパンなのですが、いつもこうして作ってます。
③で無理に押し込むと折れやすいので気をつけて!
満足いくまで放置する
放置時間は、私はパスタが食べたくなってから浸すので、2~3時間くらい。これで、画像程度にはなります。
一晩浸すなど時間をかければ、もっとグニャグニャになり、茹で時間も短くなりますが、必ずしもそこまでやる必要はありません。
これくらいであれば、手軽に水漬けパスタにチャレンジできると思いますよ。
長時間つける場合は、衛生上、冷蔵庫に入れた方が良いでしょうね。特に浄水器を通した水で浸す場合は痛みやすいので気をつけてください。
なお、私は別のお湯で茹でるのでここでは塩はいれませんが、お好みで適当に入れると良いでしょう。
私は夏場でも浄水で2~3時間なら放置してます。このあたりは自己責任でお願いします。放置後、冷凍保存もできますよ。
お湯を沸かす
柔らかくなったら茹でますが、まずは先ほどのとおり別鍋でお湯を沸かします。
お湯の量はパスタの量にもよりますが、水を吸う分を考慮することにご注意ください。
今回茹でるのは250gくらい。目分量になりますが、1000ml無いくらいでしょうか(測ったことない)。テキトーです。
多ければ多いほど失敗はない&麺が踊るので美味しくなる&ぬめりもへります。
別の作例で申し訳ないのですが、以下は目視での湯量の参考です。左が茹で直後、右が茹で上がり。この分だけパスタが水を吸う=最低限これだけ水量が必要だということがわかります。
先ほども書きましたが、お湯の量は沸くまでの時間や光熱費にも影響するので、それらとの兼ね合いで決めてください。
まずはお湯多めからチャレンジしてみて、自分で都合の良い湯量を見つけると良いのではないでしょうか。
また、今回はラーメン風にして食べるので入れませんでしたが、必要に応じて塩を適当に放り込んでおきます。お湯に対して0.5%程度が適量と言われます。
茹でる
お湯が沸騰したら、フニャフニャになった麺を茹でていきます。
パスタの場合、お湯に入れると色が変わってくるのが確認できますよ。
茹で時間は、水に浸した時間やパスタのもともとの茹で時間にも影響を受けるので一概には言えません。
1分から5分程度が相場になるでしょうか。適宜1本食べてみて判断してみることをお勧めします。
ちなみに、水道光熱費を下げるためには大目に茹でておくと良いですよ。残りはナポリタンにしたり、パスタサラダにすると美味しくいただけます。
余談ですが、目的のゆで加減になる前に火を止め、5分くらい放置し、余熱で火入れすることも可能です。
余熱分を考慮に入れるので難しくなりますが、水道光熱費をさらに抑えることができますよ。
節約を極めたい方は是非!私もやってますが慣れるとそう難しくありません。
必要に応じて洗う
今回はラーメン風にして食べる&ぬめりが出にくい商品だったのですぐ食べる分は洗いませんでした。
ぬめりが強く出る製品の場合は、一度洗ってからつゆやお湯で温め直すと良いですよ。その場合、超硬めに茹でておくのがコツです。
できあがり
並行して以下を行っておきます。
- どんぶりをお湯で温めておく
- スープを別鍋で作っておく(余った袋ラーメンのスープ)
- 野菜も適当に刻んでスープに豆乳
- チャーシューを解凍
そして完成です。
パスタラーメン!?ラーメンパスタ!?どっちでも良いのですが、今私が気に入って作っているものです。
普通の生(チルド)ラーメンは1食単価がかなり高いのですが、パスタに置き換えてしまえばめっちゃ激安になるからです。
しかも、味もパスタの風味が利いていて美味しいですよ。味は絡みづらいのでちょっと濃い味で作るとよいですね。
もちろん、普通にパスタにも使えます。私も、残りはパスタを洗ってからタッパーに保存しておき、パスタサラダにしました。
元々茹でおきを使うナポリタンは特に相性が良く、次の日に調理して食べることも可能です。
まとめ
水漬け調理は、自分で編み出してからずっとやってます。はまる人はたぶんこればっかりやるでしょう。それほど、手間も掛からず、時短でコスパがよくなります。
なお、本文中でも書きましたが、くれぐれも衛生面にはお気を付けください。夏場に常温で長時間水漬けしたまま放置などは御法度です。
注意点を抑えて、より良い水漬け料理ライフをお楽しみください(^-^)
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