コロナ禍が長引いており、私は徹底的に節約モードです。先が読みづらい世の中ですから、私と同様、節約中という方も多いのではないでしょうか!?
そんな節約生活の中で、優先順位の高いものの一つが「主食」です。毎日食べるものにつき、影響が大きいからです。
何が最も安く済ませられるのか。……実はすでに考えたことがあり、それをまとめたのが以下の記事です。
しかしこの時は、ほぼ「値段」だけしか見ていませんでした(当時仕事が激減で厳しかったこともありますが)。
現実的にはコスパを判断するにあたり、値段以外にも考慮すべき項目はあるはずです。
本ページでは、値段のみならず総合的な観点から主食のコスパについて、改めて総合的に調査してみました。節約生活の参考になることがあれば幸いです。
コスパが良いとする定義
コスパが良いと判断するからには、その定義が必要です。いろいろと考えた結果、本ページでは次の3つの要素を用いてコスパを判断することにしました。
- 値段の安さ
- 栄養価が高い
- 腹持ちが良い
詳しく見ていきましょう。
値段の安さ
本ページの趣旨である「節約目的」として、まず値段の安さは最も外せない要素と思います。
まずはそもそもの値段が安いこと。それが前提条件として、その後に他の要素がある……と私は考えました。
もちろん人によって優先順位は多少異なるものと思いますので、各自調整してお考えいただければと思います。
栄養価が高い
主食=その食事内で最も多く食べるものですから、栄養価等の健康面は気に掛けたいですよね。食べるもので身体はできあがりますので当然の話です。
どんなに安くてお腹いっぱいになるものでも、栄養価に乏しく身体に悪ければ、主食に相応しくありません。
できるだけ栄養があるかどうかは重要な要素と考えます。
腹持ちが良い
食べてもすぐお腹が空く→おやつに手が伸びる……というようなことになっては、安くて健康に良くてもコスパが良いとは言えません。
逆に、食べたら長時間空腹を感じない主食であれば、うれしいかぎりですよね。よって腹持ちの良さもコスパの指標になると考えます。
腹持ちが良い指標はいろいろあると思いますが、論理的に考えた結果、GI値/GL値をベースに比較することにしました。
ちなみに私の場合、パンはすぐお腹が空くので駄目でした(個人差あるかもしれませんが)。
【除外】味が良い
味が良いという要素も本来重要な要素ですが、今回は除外することにしました。
というのも味は個人の好みによるところが非常に大きいということ。加えて購入する製品による違いもあるため、一概に語れないからです。
したがって、本ページでは味については考えないこととしました。「低価格帯の製品での、ごく普通レベルの味」と仮定して考えます。
【検証1】値段で考えてみる
さて、それでは1要素ずつ考えていきたいと思います。
先ほども記載したとおり、私は値段が安いことが最初にくる重要な要素と考えます。主食の種類はたくさんあるため、まずはこの段階でフィルタリングも兼ねて厳選しましょう。
過去に調査した結果
値段に関しては、冒頭でも記載したとおりすでに調査したことがあります。そう変わるものではありませんので、そこから利用したいと思います。
冒頭でも触れましたが、リンクを再掲します。
上記ページの結果をひと言でまとめれば、
- 米
- うどん
- ひやむぎ
- そうめん
- パスタ
が、最安クラスの主食です(米以外は基本的に乾麺。うどんのみ、ゆで麺もあり)。
安い場所で安い製品を買えば、1人1食あたり20~30円前後の主食です。これならおかずを入れても、1食100円以下にできそうですね。
3グループに分類
米・うどん・ひやむぎ・そうめん・パスタ。これらはよく考えると、米そのものか、小麦粉を加工した製品です。
便宜上、それらを性質ごとに3グループに分類しました。
- 米類
- 白米
- 分つき米
- 玄米
- 小麦類
- うどん
- ひやむぎ
- そうめん
- デュラム小麦類
- パスタ
1の米は、精米度合いの違いだけです。
2の小麦類は、安いものは基本的に小麦と塩でできており、実際はほぼ太さだけの違いです。
3のデュラム小麦もその名の通り小麦ではありますが、うどん等とは種類が違う小麦です。味・食感・GI値(後述)も大分違うので分けました。
本当は乾麺の蕎麦(1食30円弱)も入れようとしたのですが、業務スーパーくらいでしか激安で買えないので外しました。それに安いものはうどんに近いですしね。
調理によるコストの違いは無視
厳密に言えば、主食ごとの調理方法の違いにより、コスパにも影響があります。……が、微々たるものなので本ページでは考えないこととします。
例えば以下の様なものです。
- お米の場合
- 炊飯の電気代
- 研ぐ&炊く水道代
- 麺類の場合
- 茹でる水道代
- 茹でるガス代(IHの場合は電気代)
お米炊飯の電気代は1回に4円前後(5合炊き)。水は1L 0.25円前後と、無視できる金額です。
麺類の場合も同様に、水は1円以下。ガス代も中火で3分=1円前後(契約による。プロパンガスの場合はその2倍前後)です。
それほど差はないので、無視しても差し支えないと考えました。
参考までに、以下ページでご紹介している水漬け調理法を使えば、麺類は全て2~4分ほどでゆであがります。通常茹で時間が8分~するうどん等でも、調理コストを無視できるはずです。
【検証2】栄養価で考えてみる
たくさんある主食の中から、値段が安い3グループ(米類・小麦類・デュラム小麦類)までいっきに絞りました。
ここではその3グループにおいて、それぞれ栄養価という別視点からチェックしてみたいと思います。
栄養価一覧
まず最初に、栄養価の一覧を並べて比較してみましょう。
グラフの見方は、以下です。
- 玄米 → こめ「水稲めし」玄米
- 5ぶづき → こめ「水稲めし」玄米
- 白米 → こめ「水稲めし」精白米 うるち米
- うどん → こむぎ「うどん・そうめん類」干しうどん ゆで
- パスタ → こむぎ「マカロニ・スパゲッティ類」マカロニ・スパゲッティ ゆで
全て150gを食した場合の栄養素です。多い数値は赤枠、少ない数値は青枠をつけました。
なお、パスタの食塩相当量が明らかに高いのは、おそらく茹でる際の塩も考慮されていると思います。製品によっては塩なし(少なめ)で茹でても美味しく食べられるので、これは下げられそうですね。
対してうどんの食塩は、食材自体に練り込まれているものだと思います。大量のお湯で茹でれば減るでしょうが、パスタより調整が難しそうです。
栄養価の傾向について
表を見ると、予想通り玄米の栄養素が高めでした。カリウム・マグネシウム・リン・亜鉛・銅・ビタミンE・ビタミンB1・ナイアシン・ビタミンB6・葉酸・パントテン酸などがトップクラスです。
加えて予想通り、白米やうどんなどの「精製された白い粉」は栄養が少なめです。
唯一予想に反して、パスタは栄養価が高いようです。タンパク質・食物繊維・鉄・銅はトップクラス。ただしナトリウム・塩が多めになりがちなため、主食として食べるなら塩無しで茹でるのが良いかもしれません。
主食の栄養価は気にしなくて良い!?
ここまで栄養価を見てきましたが、一応、玄米が最も栄養価が高いということになりました。
玄米が栄養過価が最も高く、健康にいいんですね!
……というのは間違いではないと思いますが誤解を生みそうです。
次の表は、玄米150g×3食分(=1日分)の栄養価が、1日に必要な栄養価の何パーセントになるかを示しています。これが100%を超えていたら、玄米食だけで事足りるわけです。
50%以下の数値は青枠、100%以上の数値には赤枠を付けています。
……見れば分かるとおり、青枠だらけ。全く足りていません。100%を超えているのはナイアシンくらいでしょうか。
例え玄米をこの2倍量食べたとしても、青枠の栄養素は1日の必要量に届かないのです。ビタミンA/D/K/Cにいたっては全く入っていません。
栄養のある玄米でも、それだけじゃ駄目なんですね。。
玄米ですらこれなのですから、主食だけで100%栄養が賄えるものはありません。主食の栄養素はあくまで補助的なもので、おかずと併せて栄養を満たすもの、という認識が必要です。
つまりは主食自体の栄養はそこまで気にしなくても良い……という結論になりそうですね。
おかずに乏しい大昔であれば玄米一択なのでしょうけれど。現在はどの主食でも、バランス良く食べることが一番だということです。
【検証3】腹持ちで考えてみる
最後に、腹持ちの良さを考えてみたいと思います。腹持ちに関係する要素はいろいろと考えました。
- 消化の良さ
- カロリー
- GI値/GL値
これに関しては、血糖値の上がりづらさを意味する「3」のGI値/GL値を参考にしました。
理由は、空腹を感じる=血糖値が下がることなので、論理的に考えるとGI値/GL値の影響が高そうだからです(後述)。
GI値不明ですが、濃厚家系ラーメンだけあり得ないくらい腹持ちが良いのだけは謎です。。大量の鶏油とスープのGI値が低い?もたれてるだけ?(汗)
GI値とは
GI値とは、対象となる食品に含まれる炭水化物量50g分を摂取することに対し、どれくらい血糖値が上がるかという指標です。
例えばGI値が高い食品を摂取すると、血糖値が急激に上昇します。脳は「それは問題」と見なし、膵臓に血糖値を下げるホルモン(インシュリン)を分泌させ、血糖値が下がるという仕組みです。
そもそも「お腹が空く」ということは、血糖値が下がることで脳が「飯を食え!」という信号を発した結果です。
したがってGI値が低い=血糖値が緩やかに上がり、緩やかに下がるので、腹持ちに影響すると考えられます。
GL値とは
もう一度書きますが、「GI値」は、対象となる食品に含まれる炭水化物量50g分を摂取することに対し、どれくらい血糖値が上がるかという指標です。
これには「実際食べる量」が全く考慮されていません。いくらGI値が低くても、たくさん食べればその分血糖値が上がりますし、その逆もまたしかりです。
例えば、以下のケースを見てみましょう。
GI値 | 1人前 | 糖質 | GL値 | |
白米 | 80 | 150g | 42g | 34 |
はちみつ | 58 | 25g | 21g | 12 |
はちみつ | 58 | 75g | 63g | 36 |
GI値だけ見れば、はちみつはGI値58で低いから良い!となります。25g食べれば、糖質は21gです。
しかし、はちみつを75g食べれば、糖質は63gになり、白米150gの糖質42を超えます。はちみつを150gにすれば糖質126gです。
いくらGI値ははちみつの方が低いと言っても、食べる量が変われば血糖値は上がる。つまりGI値だけでは読み取れません。
食べる量とGI値を考慮したのがGL値です。以下の式で表します。
糖質×GI値÷100=GL値
例えば以下を比べてみまます。
はちみつ75g=糖質63g、GI値58の場合
63×58÷100=35.96
白米150g=糖質42g、GI値値80の場合
42×80÷100=33.6
この場合、GL値はほぼ同じ値です。食べる量を考えないGI値よりも、GL値の方が実態に即しているというわけです。
対象のGI/GL値
GI値/GL値に関しては、参考サイトによって記載されている数値がめちゃくちゃなこともめずらしくありません。引用に引用が重ねられて、信憑性が崩れているようです。
なので、信用できるソースから引用するのがベストと思いました。
最も信用がおけそうなデータソースとしてシドニー大学の公開するデータベースが良さそうです。……が、私は英語が弱いもので、こちらのサイトさんがシドニー大学で調査された結果から拝借したデータを元に、1食150gあたりに加工しました。
こんな感じです。
項目 | GI値 | 1食分の量(g) | 糖質量 | GL値 |
---|---|---|---|---|
白米 | 80 | 150 | 42 | 34 |
玄米 | 76 | 150 | 34 | 26 |
うどん | 62 | 150 | 40 | 25 |
パスタ | 47 | 150 | 39 | 18 |
白米・玄米のGI値は高い方ですが、これは想定内です(玄米も皮の中は白米ですので似たりよったりかと)。
うどんに関しては、GI値が80~85と言っている国内サイトも多い中、シドニー大学準拠のGI値はかなり低く記載されているようです。
真っ白に精製された小麦粉であればもっと高そうに思われます。もしかすると、海外で流通している小麦粉の事情の違いもあるのかもしれません。
個人的には、白米と同程度に脳内補正をかけても良いかなぁと考えています。
パスタに関しても、大分GI値が低いです。これは、以下の可能性も考えます。
- もともとのデュラム小麦の性質
- 海外のデュラム小麦粉の流通事情の違い
- デュラムセモリナ粉は製粉の際に皮も混じりやすく精製度が高くない可能性
うどんほどでないにしろ、これも少し良すぎるデータである可能性も捨てきれません。
結論としては、データ上はパスタが良いですが、それ以外はみなほどほど。つまりはどれを主食としても特別に腹持ちが良くも悪くもなさそうです。
私の考える結論
今回、調査したことを私なりにまとめてみたいと思います。
- 米・うどん類・パスタ等は、安いものは1食20円~30円前後で買えることが多い
- 主食の栄養価はそれほど高くなく、栄養のみで決める必要はあまりなさそう
- GI値はパスタが低めだが、あとはそこまで大きな差はなさそう
ですので私の結論としては「米・うどん類・パスタなら全てあり&正解は無い&好みや気分で食べればOK」と思います。
毎回選ぶのは面倒&時間の無駄なので、ベースとなるお好きな主食を1つ選ぶ。あとはその日の気分や、家族のリクエストに応じて、適当にローテーションしていけばよいのではないでしょうか。
というわけで、以下、私なりのまとめとして参考にしていただければ幸いです。
栄養面を重視するなら「玄米」
皮やぬか・胚芽も含めてまるごと摂取できる玄米は、主食の中では栄養価は高めです。白米と比べれば完全に上位互換です。
ただ、なんと言っても食べづらいのが難点。どうしてもという場合は、精米機を購入してほんのちょっとだけ削った「分つき米」にするのもありです(後述します)。
ただし、何度も書いているとおり、いずれにしても主食だけでは100%には遠く及びません。あくまでサポートするような意味で食べるのが良いと思います。
ダイエットするなら「パスタ」
同じグラム数を食べるとして、今回ご紹介した内最もGI値/GL値が低いのはパスタです。つまりは腹持ちも良く、最もダイエットにも適していると言えます。
ただし以下は注意が必要です。
- 塩分が高めになりがち
- 1皿料理になると栄養が偏りがち
- グルテンが含まれる
グルテンは、体質により下痢や体調不良に繋がる方もいるようです。
個人的にはアレルギーも無く、相性は良いのでグルテンは全く気にしていません。食後眠くなりづらいように思うので、私も2番目によく食べる主食です。
その日の気分によって「うどん」
同じものを食べ続けると飽きてしまうので、その日の気分でうどん(冷や麦・そうめん含む)も全然ありだと思います。
ただしうどん等も、パスタと同様の問題があります。
- 1皿(丼)料理になると栄養が偏りがち
- グルテンが含まれる
- 炭水化物過多になりがち
うどん・冷や麦・そうめん等は良くも悪くも雑に食べることができる食事です。例えば、素うどんなんかも簡単で美味しいですよね。薬味だけでつるつるいけちゃいます。
他には、うどん+いなり寿司・おにぎりなどといったように、炭水化物祭りも開催可能(^^;)。天ぷらを合わせるのも最高です(^^;)。
うどん類の場合、栄養バランスが乱れないよう特に注意が必要な食べ物と言えるでしょう。
【お勧め】日常的な主食には「分つき米」+「雑穀」
パスタもうどんも美味しいんです。しかし、日本人にとっては美味しいけれどやっぱり米が良い!という方も多いのでは無いでしょうか。
私もいろいろ試しましたが、米以外を主食として食べ続けるにはいたりませんでした。
お米が一番!でも玄米は安くて栄養あっても味がちょっと……
そんな私の「主食の一番」となったのは、分つき米+雑穀でした。
分つき米とは、玄米を任意の段階まで精米したもの。精米度合いが高い方が白米に近く美味しいですが、そうでなくとも玄米とは段違いに美味しくなります。
精米度を高めにした場合は、雑穀をちょっと入れれば栄養バランスもOK。しかも10以上の別々の雑穀により、微量栄養素も摂取できるわけです。
そういった合理的な理由もあり、私はこれを「主食の一番」としています。
そのために必要なのは以下です。いずれ別ページでご紹介しますね。
- 精米機
- 玄米
- 雑穀
精米度はその日の気分で変えられますよ♪
まとめ
総合的なコスパを探求しようと調査しましたが、結局はそれほど大きな決め手はありませんでした。逆に言えば、何を重視するかは個人の自由と言えそうですね。
加えて言うなら、本ページではあえて除外した「味」も決め手になるかもしれません。
もし他の要素(値段・健康・腹持ちなど)がそこまで良くなくとも、滅茶苦茶美味しい製品を買える環境にあれば「それがあなたのNo.1」になる可能性を秘めていると思います。
節約生活+豊かな食生活のために、本記事を参考にしていただければ幸いです。
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