15歳~18歳、高校生。一般的にはまだまだ子どもな年齢。親元で暮らすことがほとんどだと思います。しかし中には一人暮らしをする・またはさせることを検討されている方もいることでしょう。例えば以下のような方です。
- 家庭環境が悪く一人暮らししたい高校生本人
- 本人の志望校が遠く、一人暮らしを検討せざるを得ない親御さん
このような方へ、法律的な側面、現実的な側面、かかる費用などから一人暮らしが可能かどうかを考えてみたいと思います。

いくつかのハードルがありますので、一つずつ確認していきましょう。
法律上の問題や、各種許可は得られるか!?
そもそも論ですが、法律的に問題があれば、有無を言わさず即座に「出来ません」となってしまいます。さらに言えば、制限になり得るのは法律だけではありません。高校側が認めていなかったり、保護者の許可がえられなかったり等で実現できないこともあります。
まずはこのあたりの法律や許諾関連からみてみましょう。
法律上は問題無し
私は法律の専門家ではありませんので、いろいろと調べました。結果、特に高校生の一人暮らしを禁止する法律はないようです。ただし、
(監護及び教育の権利義務)
第820条 親権を行う者は,子の監護及び教育をする権利を有し,義務を負う。
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/siryo/attach/1298449.htm
…とありますので、保護者は監護(監督し保護)しなければなりません。ほったらかしではダメということですね。
わざわざ法律など持ってこなくても、大学生・高校生の一人暮らしができると銘打ってある学生会館などの施設もあります。調べるまでも無いことだったかもしれません。

学生会館ついては後ほどご説明します。
高校の条件は大丈夫!?学校の許可が必要
日本の法律上は問題が無くとも、通っている(通う予定の)学校側の校則に問題があれば、高校生の一人暮らしは出来ないことになります。
例えば希望校の校則で「保護者(親等)と同居し、そこから通学すること」と決まりがあれば当然NG。逆に言えばそういった決まりが無ければおそらく大丈夫です。
もしNGであったとしても、正当な理由があれば相談・交渉次第でいける可能性もあります。どうしてもという時は、諦めずに事情を訴えてみてください。
親の承諾・同意が必要
高校生は未成年者です。当然一人暮らしをするには親(保護者)の同意が必要不可欠。法律上問題無く、学校的に問題が無くとも、親の承諾を得ないとどうすることもできません。
というのも部屋を借りるには親(保護者)の同意はマストだからです。加えて初期費用や毎月の家賃も払ってもらう場合はなおさらでしょう。
まだ本人の意思で一人暮らしをしたいけど言えてない……という段階の方もいらっしゃるかもしれません。その場合、まずは親と相談するのが先決です。話し方一つで結果が変わることもありますから慎重に。
現実問題として可能か!?
法律や各種許可が得られれば万事OK……とはいかないのが一人暮らしの難しいところ。実際には様々な現実的な問題が生じることもあります。
お金を捻出できるか
先立つものが無いと、当然一人暮らしはできません。家を借りるための初期費用として数十万円がかかりますし、毎月の家賃も5万~10万前後はかかります。加えて水道光熱費や通信に、消耗品費、家具や家電等など。
かかる費用に関して詳しくは後述しますが、これらのお金を捻出できない限り、一人暮らしはできません。
現実的には全日制の高校生本人がバイトでまかなうには難しい額です。たとえ出来ても勉強がおろそかになりかねません。通信制や定時制などの場合、本人の努力次第で支払うことも可能でしょう。

額が額ですので、現実的には大半のケースでは親御さんが支払うことになると思います。
高校生一人で生活ができるか
これも大きな問題です。一般的には高校生はまだまだ子どもと言われる年齢。掃除・洗濯・料理をしたり、生活用品や食事の買い物をしたり等。大人と同じように生活ができるか、親からみれば不安もあることでしょう。
これに関しては本人の生活力や性格もありますので何とも言えません。できる子もいれば出来ない子もいるはずです。
……まあ、掃除洗濯には危険はありませんし、火や包丁を使う危険のある自炊は、お弁当にすればお金で解決できます。後は防犯等をきちんと教えておけば難しいことではないとは思いますが。
とは言え気になるのは家事だけではありません。親にとっては他にもいろいろ心配する点があるのは仕方の無いこと。
- 訪問セールス・宗教勧誘の対応
- 鍵のかけ忘れ
- 隣人トラブル
- 一人で遊びほうけてしまわないか
- 犯罪に巻き込まれないか
- 悪い虫がつかないか
できる・できないではなくて、とにかく心配毎がありますよね。特に女子の場合は。
勉強と家事の両立ができるか
一人暮らしができる・できないのことばかりを気にかけましたが、そもそも学業と両立できなければ意味がありません。対象が進学校などで、学業目的の一人暮らしを考えている場合は特にです。
生活と学業の二つを同時にこなすことにより、本人の負担や多少の影響がでるのも仕方の無いこと。
もしもできるだけ学業に専念したい・させたいなら、学生会館や学生寮という手もあります。これらは管理人が常駐していたり、食事がついてきたり、家具が設置されていたりすることも。これなら学業にも影響が少なそうですし、なにより安心ですよね。
当然メリットだけではありませんが、それらに問題無ければ親からしたら願ったり叶ったり。値段の折り合いが付けば検討されるのも良いかもしれません。学生会館・学生寮については後ほど説明します。

学生会館・学生寮は一人暮らし……というよりは下宿というニュアンスが強いです。
高校生が一人暮らしする物件の選択肢は3つ
法律的に問題無く・学校の校則的にも問題無い、そして親の承諾やお金もある。その場合は高校生でも一人暮らしできることはわかりました。ここではその住む部屋の選択肢を見ていきましょう。
先ほど学生寮・学生会館などもチラリと触れましたが、選択肢は以下の3つです。
- 学生会館・学生寮
- 学生マンション
- 一般のアパート・マンション
学生会館・学生寮
学生向けの宿泊・生活施設です。時に相部屋もあるため厳密には一人暮らしとは言えない事もありますが、食事など生活がしやすいような支援があります。
下宿という言葉の方が相応しいかもしれません。
メリット
デメリット
門限があるというのは、型にはめることで逆に生活のフレームワークとなるので親御さんにしてみればメリットと言えそうです。
個室でないというのも、一概にデメリットではなく協調性や競争の意識が芽生えることも。トラブルがあれば変えてもらえるでしょうし(実際は施設の判断)。
重要なポイントとしては、希望校近くにあるか……ということになるでしょうね。
学生マンション(学生アパート)
学生さん専用に貸し出しているマンション・アパートです。目的が明確な賃貸なので、審査も通りやすいです。
メリット
デメリット
一般のアパート・マンション
普通の不動産屋さんで一般的に貸し出されているアパート・マンションです。選択肢は豊富ですが、良くも悪くもピンキリ。良い物件にはお金(高めの家賃)が必要です。
メリット
デメリット
不動産屋で物件を探す・契約する
学生会館・学生寮の場合は直接その施設に問い合わせをすれば良いですが、それ以外は基本的に不動産屋に赴くことになります。その際の留意点などをご紹介します。
保護者と一緒に行く
高校生の子どもが一人で来店しても、おそらく「親御さんと来てくださいね」とされることでしょう。本人名義での契約がむずかしいため、不動産屋は無駄な案内をするのを嫌がります。1月~3月の繁忙期であれば特にですね。
お子さんの希望もあると思いますので、一緒に学校近くの不動産屋を訪ねると良いでしょう。

大人の賃貸はネットを駆使しますが、こういった場合は地域に根付いた不動産屋さんの方が都合が良いです。
契約は基本的に親名義となる
契約は基本的に親御さん名義になります。保護者の同意があれば未成年でも契約はできるのですが、本人に収入がない場合は契約できません。
ちなみに親御さんが契約すると、当然親御さん本人が保証人になることはできませんので、別途保証人が必要になります。最近だと有料の保証会社を強制されることも多いようです。
一般のアパート・マンションでは多少選択肢が狭まることも
これは学生専用では無い、一般のアパート・マンションでのお話です。
賃貸物件にはオーナーさん、つまり物件の大家さんが存在します。入居審査には管理会社に丸投げしているような場合を除き、大家さんが関与することが一般的です。
大家さんはビジネスで家を貸しているので、調和を乱す要素を極端に嫌うもの。特殊な入居者ではなく、ごく普通の職業や公務員で、できる限り長期間住んでくれる人を望みます。
高校生は当然一般的には少数ですので、時に難色を示すこともあるかもしれません。
- 若すぎるけれど大丈夫かな
- ご近所トラブルを起こさないかな
- 学校を卒業すると出て行ってしまうのかな
その点、学生マンションであれば大家さんも“学生さんウェルカム”であることが約束されています。
学生マンションや、学生の審査可決実績のある物件で探してもらうと話が早いかもしれません。学校近くの不動産屋さんに足を運ぶ理由は、こういった実績が豊富だからです。学生さんへのお部屋の紹介も慣れているはずですよ。
大家の承諾が取れさえすれば、通常の審査が待っている
一方、大家さん的に問題が無ければ、後はほぼ契約者である親御さんの問題(審査)です。高校生のお子さんを一人暮らしにご検討されているくらいですから、社会的信用&年収はおそらく問題無いでしょう。
ただし、現在お住まいの家賃や住宅ローンの返済をしている方は要注意。今回の契約で“二重家賃”になってしまうからです。
不動産業界では家賃は年収の1/3まで、という慣習があります。二重家賃分を払うと1/3を超えてしまう場合は気をつけましょう。

とは言え聞かれなきゃばれないですし、既存家賃の金額は自己申告だったら適当に言っても分からないような気もしますが(汗)
かかる費用
一人暮らしができる可能性も見えてきたところで、現実的なお話、つまりはかかる費用を見ていきましょう。経済的な面でも影響が大きいため、このお金問題を検討するのは非常に重要です。
かかる費用は大きく分けると以下です。
- イニシャルコスト(初期にかかる費用)
- 不動産
- 家具・家電
- 引越し費用
- ランニングコスト(継続的にかかる費用)
- 家賃
- 食費
- 水道光熱費
- 通信費
- 日用消耗品費
それぞれを説明していきましょう。
イニシャルコスト:不動産編
一般的な賃貸アパート・マンション・学生マンションでのかかる費用を例に挙げました。お安めの家賃5万円で試算していますが、普通に大人が一人暮らしするときと同じくらいかかりますね。
項目 | 単位 | 家賃5万時の例 |
---|---|---|
敷金 | 1~2ヶ月分 | 10万 |
礼金 | 1~2ヶ月分 | 10万(2ヶ月計算) |
仲介手数料 | 0~1.1ヶ月分 | 5.5万(1.1ヶ月計算) |
火災保険 | 2年契約 | 1.5万 |
当月分家賃日割り | 0日~30日分 | 2.5万円(15日分計算) |
翌月前家賃 | 1ヶ月分 | 5万円 |
賃貸保証料 | 0.5ヶ月分 | 2.5万円(会社・契約による) |
その他(不動産屋による) ※鍵交換費 ※室内消臭 ※生活サポート | 2.2万 | |
合計 | 39.2万 |
物件・管理会社・保証会社の違いによる変数もありますが、全部で40万前後くらいですかね。
この試算例の場合、家賃が1万増えると全体で7万くらい増えると思ってください。例えば家賃7万円であれば、54万前後です。

このうえ毎月の家賃や生活費も考えると、結構なお金がかかりますね。
イニシャルコスト:その他
その他イニシャルコストは以下にまとめます。状況によっている・いらないがあると思いますので、ご自身で予算を見積もって見てください。
引越し
まずは自宅の大物の荷物を新居に持っていくかどうかです。例えば使い慣れた机や椅子など。これらは乗用車では厳しいからです。
運べない場合は、軽トラをレンタカーするか、赤帽などの単身用引越しに任せるのが良いでしょう。大物がなければ、例えば洋服や勉強道具など程度は自分で持っていけると思います。
家具
勉強のための机と椅子が無ければ必要です。それ以外は予算と要望次第で。
家電
- 電子レンジ
- 小型冷蔵庫
- ドライヤー(女子はマスト)
生活必需品
- 寝具一式(敷き布団・掛け布団・枕)
- カーテン(部屋についていない場合)
- 照明(部屋についていない場合)
その他日用生活品
- ティッシュ
- トイレットペーパー
- 歯磨き粉
- 歯ブラシ
- シャンプー・コンディショナー
- 石けん
- バスタオル・ハンドタオル
- トイレブラシ
- ゴミ袋
ランニングコスト
ランニングコストは、毎月かかる維持費です。以下が必要最低限のベースとなります。
- 家賃
- 食費
- 水道光熱費
- 電気
- 水道
- ガス
- 通信費
- 日用消耗品費
食費はお弁当等なら500円×3食×30日=45,000円です。そこそこしますが、手軽で火も使わない=安全度が高いのはメリットでしょう。自炊させるかは親と本人次第です。
水道光熱費は、一人なら、エアコンを在宅時常時付けておくなどしなければ1万円しないと思います。
通信費はネット回線や携帯代。数千円~多くても1万以下でしょう。
生活用品は数百円のものがメインですから、あまり気にしなくても。適当に予算をとって、本人にやりくりさせるのも手です。お小遣いから出させるようにすれば、やりくりの精神をはぐくめます。
まとめ
高校生の一人暮らしは法律的には問題が無いこと。ただし学校が許可するか、親が許可するか、現実的にできるかは別だということを解説しました。
まだまだ子ども……と思う親御さんもいると思いますので最後に経験談を。私は18歳に親の補助無しで一人暮らしを始めましたが、自炊まで含めて試行錯誤で問題ありませんでした。こわい思いやヒヤリハットもなかったです。
特に進学校など希望の高校に通うために、時には一人暮らしを選択した方が良いこともあるかもしれません。「いや無理でしょ」と頭ごなしに否定せず、検討の選択肢として考えてみるのも一案ではないでしょうか。
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