食品添加物アルコール製剤のメイオールNEO(15kg)を購入し、これでコロナ禍でも消毒は安心……と思っていたのもつかの間。それを入れていたスプレーボトルを落としてひび割れさせてしまいました。当然、じわじわと液漏れします。。。
パストリーゼ77の500mlスプレーボトルだったのですが、これ、結構割れやすいんですよね。しょせんはプラスチックの消耗品。定期的に壊れるもの・交換するものと割り切って使った方が良いのかもしれません。
だからオークションなどでパストリーゼ77のボトルを高いお金出して買うのはコスパ良くないですよ!どのくらい消耗・劣化したものか分かりませんので。
デザイン的には同じものが良いのですが、コロナ禍の今、パストリーゼ77を新規で購入することはよほど幸運でないと叶いません。そこで新たなスプレーボトルを探すことになりました。
結果、本文中で後述しますが非常に良さそうな代用品が見つかりました。パストリーゼ77と同レベルのスプレーヘッド(キャニヨンスプレー)が使用された製品です。本ページでは、そこにたどり着くまでの思考&調査の過程を共有したいと思います。
信頼できる高濃度アルコール対応のスプレーボトルを探す旅に出る
揮発しやすいアルコール製剤を入れるからには、信頼できるスプレーボトルが必要です。
いつの間にかアルコールが飛び濃度が低下してしまい、消毒の意味が無かった……なんてことになったらイヤですからね。コロナ禍の今は特にです。
また、スプレーの霧が荒かったり、出が悪かったり、液漏れがあったり等も遠慮したいもの。そこで、信頼できる製品を探すためにスプレーボトルについて調べてみました。
求められる規格
実は私もコロナ禍で初めて知ったのですが、アルコール(エタノール)は何にでも入れられるわけではありません。そもそもの大前提として、高濃度アルコール製剤を入れても問題が無い素材である必要があります。
アルコールは非常に刺激の強い液体です。濃度が高くなるほど顕著になり、そのアルコールで素材が溶けてしまうことがあるんですね。よく考えれば、ペットボトルのアルコール飲料はめったにありませんが、こういった事情からでしょうか。
高濃度のアルコールでも溶けない素材。結論としては、以下のいずれかであれば基本的に問題無いと言われます。
- PP(Polyppropylene = ポリプロピレン)
- PE(Polyethylene = ポリエチレン)
- HDPE(High Density Polyethylene = 高密度ポリエチレン)
“基本的に”と書いたのは、塗料などが混ぜ込まれているものなど、例外もあり得る可能性からです。
他にはガラス(瓶)も当然OKですが、重い&割れると大変だということもあり、ここでは対象に入れません。
それよりも覚えておきたいのは、流通されているスプレーボトルに多いPETは避けた方が良いこと。世の中のスプレーボトルはほとんどPET/PP/PE/HDPEのいずれかなので、基本はPETを避けることが大事です。
無知なころ、パストリーゼ77をペットボトルに入れ100均のスプレーヘッドを付けて何年も置いてしまったことがあります。見た目的には溶けてませんでしたが。
「スプレーボトル」だけでなく、噴射口である「スプレーヘッド」部分もPP・PE・HDPE等と明記されているかのチェックも必要ですね。さすがにPETのスプレーヘッドは無いかもしれませんが、念のため。
ほとんどが中国製という実態
さてさて、ここでAmazonで探してみたのですが、ほとんどが中国系の知らない企業が出品しているもの=中国製でした。出荷がAmazonはあっても出品者:Amazonではほとんど見つかりません。
もちろん中国製にも良い物があることは重々承知しています。しかしスプレーボトルに関してはどうやらいまいちな口コミが多い模様。
- 汚れていた(落ちない)
- スプレー部分ががたつく
- スプレーから液漏れした
- ロット違いにより商品画像と違う物が届いた
悪い口コミは大抵こんな感じです。
加えてステマっぽい口コミもあるんですよね。そのため「これだ!」という製品は無く、当たり外れ覚悟で買ってみるしか無いのかなぁという印象です。
特にスプレーヘッド部分に当たり外れが多い模様
特に、スプレーヘッド部分(霧が吹き出る部分)に問題がある口コミが多いような印象を受けました。よくよく考えれば、ボトル部分は単純な構造ですが、スプレーヘッド部分の可動ギミックはかなり繊細そうです。
ノウハウ無くして、安定的に不具合無く作るのは難しいのでしょう。こういった繊細なパーツこそ、日本企業の得意分野なのになぁと思いました。
これに関しては、CANYON(キャニヨン)という日本の製造企業が見つかりましたので後述します。
そんな中、パストリーゼ77のスプレーボトルは高くても大人気
冒頭でも書きましたが、パストリーゼ77のスプレーボトルは大人気です。ヤフオク・メルカリでも相当な値段がついており、パストリーゼ77・500mlの定価である1,058円(税込)を超えているのも普通なほど。
中身が入って元値1,058円が、中身が無くてそれ以上の値段っていったい……
それは何故かと言えば、単純にデザインがおしゃれだからという理由も多少はあるかもしれません。しかしそれに加えて、定評のあるスプレーボトルを使いたいという気持ちも大きいのではないでしょうか。
長引くコロナ禍の今、せめて消毒くらい実績のある容器で安心して行いたい気持ちはあると思います。でないとこんな高値で誰も買いませんからね。
やっぱりパストリーゼ77位のしっかりしたスプレーボトルが欲しい!
かくいう私も、パストリーゼ77クラスの国産のスプレーボトルが無いかなぁと探した口です。しかし、国産品と銘打った製品も多少はありましたが、値段が非常に高い。
コロナ禍とは言え、空のスプレーボトルに1個500円以上出すのはなんだか負けた気がします。それくらい出すなら当面は安い物でお茶を濁して、コロナが終わったらパストリーゼ77を買えばいいやと思ってしまいます。
今まではずっとパストリーゼ77でトラブル無く(ボトルはよく割れるけど)普通に使えていました。今思えばその普通がありがたいことだったんですね。。。
幸せは失って気づくものとはよくいったものですね。
パストリーゼ77の1000mlのスプレーヘッドに解決の糸口があった
そんな中、単純に入れ物とだけしか使っていなかったパストリーゼ77の1000mlボトルに、スプレーヘッドが付属していたことを思い出しました。購入は何年も前ですが、1000mlが重すぎて使い勝手が悪かったので、スプレーヘッドは使わず放置していたものです。
500mlを割ってしまったので、仕方ないので使ってみるかと装着してみると……。
あれ、500mlよりも出がすごく良い!めっちゃ細かい霧がたくさん出ます。でも開け閉めは500mlの方がしやすいかな……などと思いながら眺めていたら、スプレーヘッドに文字が。
GANYON CORPORATION!?
もしかしてスプレーヘッドの製造会社かなと思い、検索しても出てこず。小さいのでよく見えなかったのですが、GではなくCかなと思いCANYONで検索したらビンゴ!というか裏を見ると、もう少し大きくCanyonと書いてありました(汗)。そこには、MODEL CHS-3ANと型番も書いてあります。
WORLDWIDEとも書いてありますし、名称的には何となく海外っぽい印象。しかし実のところ、キャニヨン株式会社というれっきとした日本の会社でした。公式サイトは以下です。
パストリーゼ77の1Lのスプレーヘッドはキャニヨン製のCHS-3AN
キャニヨン公式サイトの商品一覧を見ると、以下のアイテムを見つけました。JavaScriptで表示されているので直リンクできないためスクリーンショットです。
色違いですが、全く同じもの。型番もCHS-3ANと一致しています。
つまり、パストリーゼ77の1000mlボトルのスプレーヘッドは自社製品にあらず。キャニヨンのCHS-3ANを仕入れて利用しているということですね。
Industrialという項目内にあったので、カテゴリ的には業務用のようです。たしかに、500mlのヘッドよりも勢いよく出るわけです。
パストリーゼ500mlのスプレー部分はキャニヨンのT-95
酒造会社が1000mlのスプレーヘッドだけ仕入れて、500mlのだけ自社で作るわけはありません。となるとパストリーゼ77・500mlのスプレーヘッドもキャニヨン製かも!?と期待が膨らみます。すると……ありました!
こちらも色は違いますが、パストリーゼ77の500mlのスプレーヘッドと同じ形状です。ただし1000mlと異なり、500mlの方はキャニヨンと明記されている訳ではありません。型番の表示もありません。
そのため断言はできませんが、同じ製造会社(=キャニヨン)から仕入れている可能性は高そうです。型番書いて無いかなーと、思ったら、型番は無かったのですが小さくCanyonの文字を発見!
目立たせる気はないみたいですね。もうちょっと大きくしたら知っている人も増えそうなのにと思います。
というわけで、型番の記載はヘッドにはありませんでしたが、キャニヨン製品であることは確定。そしてT-95系であることも間違いなさそうです。
こちらもCHS-3ANと同様に色のバリエーションがあります。こちらはConsumerとあるので、一般消費者向けを想定しています。とは言えBtoBの会社ですので、個人にはロゴが目立たなくて良いのかもしれませんね。
ということはです。このスプレーヘッドを使えば、使用感はパストリーゼ77の500mlと全く同じはず。ボトルは素材がアルコールに対応しており、口径が合えば何でも使えることでしょう。
そもそもキャニヨンという会社とは!?
というかそもそもキャニヨンというのはどういう会社なんだ!?と調べると、実は凄い会社でした。なんと世界で初めて片手で引けるスプレー(正確にはスプレイヤー)を開発した会社なのだそうです。
もちろん特許も取っており、世界200ヵ国以上で使用されているとのこと。しかも創業1958年以来、ずっとスプレーを作り続けている一番の老舗。結果現在では、様々な有名製品のスプレーヘッドとして採用されているようです。
たしかに、後にホームセンターに行って際に調査したところ、同じスプレーヘッドが使用された製品が多数ありました。
そんな凄い会社の製品だったとはつゆ知らず。ファスナーで言うYKKみたいに、密かに有名だったのですね。
ここではキャニヨンが凄い会社であることだけ伝わればと思いますが、さらに詳しくは以下の別記事で紹介しています。
キャニヨン製品に焦点を当ててスプレーボトルを探してみるのもありかも
調べれば調べるほど、キャニヨンのスプレーヘッドっていいんだなぁ、技術力のある会社なんだなぁと分かりました。ひいてはこの会社の製品が使われたスプレーボトルが欲しいと思うのも自然です。
だって何年もキャニヨンのヘッド(パストリーゼ77のヘッド)を気に入って使っていた訳ですし。
よく考えればボトルよりもスプレーヘッドの性能が大事なことに気づく
スプレーボトルは、スプレーヘッドとスプレーボトルでできています。そもそもよく考えてみれば、ボトルなんかよりもヘッドの方が重要なのではないかと気がつきました。
それぞれの役割を考えると、まずスプレーボトルは以下です。
- アルコールを揮発せずに保存すること
- できるだけ長期間割れないこと
つまりは素材がPP/PE/HDPで、より頑丈であれば良いわけですね。とは言っても形はシンプルかつ汎用的。安くしようとすればそう分厚くもできないでしょうし、それほど差別化ができないように思います。
繰り返しになりますが、パストリーゼ77のボトルだって結構割れますしね。
対してスプレーヘッドの役割は以下です。
- アルコールを揮発させないこと
- 可動部から液漏れさせないこと
- 引き金を軽く引けること
- 細かい霧状にスプレーすること
- できるだけ長期間壊れないこと
これ、結構難しいように思います。
- 出口にスプレーの噴射口があるので揮発させないのが難しい。
- 複雑なギミックなので引き金を引いたときに液漏れしやすい。
- 細かい霧にすればするほど引き金は重くなる。
- 何度も負荷がかかるので壊れやすい。
快適に使うためにはめっちゃ技術力がいるのでは……。
スプレーヘッドって細かいプラパーツですし、作るのが難しそうです。つまりは他製品と差別化しやすいパーツです。
結論として、可動部であるスプレーヘッドがスプレーボトル全体の使用感に繋がっているのではないか。つまりはボトルよりもヘッドの方が大事と確信しました。
キャニヨンスプレーヘッド使用と明記されている製品も販売されている
じゃあキャニヨンスプレーを探そう!ということになり、いろいろなネットショップで検索を掛けてみました。
洋服で例えるならYKKのファスナーを使っているパンツを探しているようなもの。さすがに無いかなぁと思いましたが、ありました!スプレーヘッド指名買いとはなんてマニアックかと思いましたが、やはりこの業界では有名みたいです。
大別すると、キャニヨン製スプレーヘッドの販売は、以下のいずれかに分けられます。
- 単品でスプレーヘッドのみで販売されている製品(キャニヨンと銘打ってない物も含む)
- スプレーヘッドに汎用的なボトルを付けて販売されている製品(キャニヨンと銘打ってない物も含める)
- 正式にキャニヨンスプレイヤーとして、ヘッド+ボトルで販売されている製品
非常にたくさん見つかったので、この辺りは、後日まとめてみようと思います。
市販品も売っているのでそれを使うのもありかも
市販の洗剤や園芸のスプレーなどで、キャニヨンスプレーヘッドが使われている製品も多数見つかりました。ドラッグストアやホームセンターに行けば必ず発見できるレベルです。
中でもボトルがPP/PEと記載されていれば、高濃度アルコール製剤を移し替えても問題無い可能性があります。
大抵は500円以内、高くても1000円位で購入できると思います。元々入っている中身を移し替えるか使い切るかした後、アルコール製剤を入れても良いかもしれません。
ヤフオク・メルカリでのパストリーゼ77の空ボトルよりも安い(笑)
ただ、中身を移し替えてアルコール製剤を入れるのは自己責任でお使いください。おそらくメーカーに聞いても保証できないと言われると思います。あと、移し替える前は、残留液が残らないよう入念に洗っておいた方が良さそうです。
手持ちのパストリーゼ77のスプレーヘッドを他に付けても良いということに気づく
今回のそもそものきっかは、パストリーゼ77・500mlのボトルが割れたことでした。つまりスプレーヘッド部分は無事です。これを他のボトルに付けても良いのでは……ということに気づきました(今さら感)。
ボトルだけを買って付けても良いし、スプレーボトルを買って、ヘッドの使い勝手が悪かった時だけ交換しても良いですし。
これまではボトルが割れたらスプレーヘッドごと一緒に捨ててましたが、なんともったいないことをしていたのでしょうか。
スプレーボトルの口径の規格は28mmが一般的
気になったのは、接続口がヘッドとボトルとで合わなかったらどうしようということ。しかしそれは杞憂でした。
ヘッドとボトルをつなぐ口径ですが、28mmが一般的なようです。これはペットボトルの口と同じで、ごく標準的な大きさ。試しに我が家にある10種類以上のスプレーを調べたところ、全てこの口径でした。
わざわざ少数派な規格で作るボトルや、中国以外の海外製のものは違う可能性もあるかもしれません。しかし多くはこの規格に沿って作られていることでしょう。すなわち大抵のボトルには付けられると思って良さそうです。
100均で3個セットで売っているスプレーヘッドも同サイズに付けられました。とは言え必ず確認してからご購入くださいね。
百均で買ってきたボトルに装着してみる
さっそくですが、100均(ダイソー)でHDPEのスプレーボトルが売っていたのでこれに付けてみようと買ってみました。
元々ついていたのは、いかにも100均といった感じの使い勝手が悪いものです。安いのは、特に霧を細かくすると露骨に重くなるんですよね。質感もプラスティッキーですし。
ただ、これはこれで、ヘッド:ポリプロピレン(PP)、ボトル:ポリエチレン(PE、正確にはHDPEと底面に記載あり)とあるのでアルコール製剤も大丈夫です。
パストリーゼ77のT-95と思われるスプレーヘッドを付けたのが以下です。
普通についているように見えます。実際に使えもします。しかしヘッドがまっすぐに付けられません……。スプレーヘッドの水を吸う管が長すぎて、ヘッドが変な方向にくるくる回ってしまいます。
これは以下の左画像のように、内部で固いスプレーの管が詰まっているからですね。右画像のように、カッターなどで管をカットしてしまえば正常に使えそうです。
ただ、一度切ってしまうと当然不可逆ですので、パストリーゼ77のボトルには短くなってしまいます。もともとの100均のスプレーも全く使えないことは無いので、別のボトル用にとっておくことにしました。
ボルトの高さ(容量)および念のため口径の確認が必要
よく見ると、このボトル容量は500mlには到底及ばないレベルでした。パストリーゼ77: 500mlのスプレーヘッドの管は、それに合うような長さになっていたというわけです。
今回はボトルの容量が小さかった訳ですが、逆に1000mlなど大きいと底に届かず、液面が管よりも下回ると出し切れないことになりそうです。
じゃあ500mlなら良いのかと言えば、形状によってはピッタリいかないこともあるかもしれません。いずれにしても、ボトルの高さ・容量と、念のため口径は確認してから購入した方が良さそうですね。
まとめ
パストリーゼ77のボトルを割ってしまい、新しいスプレーボトルを探す中で、キャニヨンという老舗のスプレーヘッド製造会社を発見することができました。
コロナ禍の現在、パストリーゼ77と同じような物を購入するのは難しと思っていた矢先。代替製品が見つかって嬉しい限りです。
スプレーボトルは永遠に使えるわけではないので、私と同じように割ってしまう方も多いと思います。そんな方でなおかつパストリーゼ77のスプレーファンの方にお役に立てれば幸いです。
私はメインで使うスプレー2つだけ、キャニヨンのスプレーを用意し、サブのスプレーは100均のでいいかなというところに落ち着きました。
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