コロナ禍ということもあり、自粛生活やテレワークで、家にいる機会が増えています。そんな時気になるのが、騒音問題を始めとする住まいの問題です。
特にアパートやマンションなどは集合住宅ですので、上下・左右の住人と距離が近い。そのため問題が発生しやすいと言われます。
アパート・マンションはどこも音が響きやすくてもうやだ。戸建てに引っ越したい!
そのためこのように、「戸建てなら良い・問題は解決する」といった認識をお持ちの方もいるのではないでしょうか。しかしながら実際のところはそうでもありません。
本ページでは、10回以上の引越しをし、戸建てはもちろんアパート・マンション・メゾネット等移り住んできた私が、戸建ての落とし穴をご紹介します。
戸建てに興味がある方は参考にしていただければ幸いです。
一戸建ての騒音等のご近所問題
まず最初に、戸建てにもごく普通に騒音問題はあります。アパート・マンションなどでは上下左右&斜めの部屋の音が響きやすいですが、戸建てでは隣接する住宅がそれにあたります。
アパート・マンションのように建物自体が繋がっていなくても、ご近所からの様々な音で迷惑を感じることはあるのです。
一戸建てがあるような住宅地は、閑静だからこそ音が響きやすいということもあるかもしれません。
隣家内の騒音も普通に届く
戸建ては、ちょっとくらい大きな音を出しても比較的平気です。
例えば大きな音を出しやすい代表各が子供でしょうか。アパート・マンションでは親も「静かにしなさい!」としつけるところを、戸建てではあまりしないものです。
子供をのびのびした環境で育てたいから戸建てに住む……という人もいるくらいですからね。そういった理由で子育て世代等のファミリー層にも戸建ては人気です。
前提:戸建ては、アパート・マンションよりも音の発生が許容される
ですからアパートやマンションとは異なり、音に気をつけて生活しようという意識が働きづらいです。むしろ室内なら、いくら騒いでも良いと考える人すらいるかもしれませんね。
ひいては戸建ては、遠慮の無い音を発生させやすい環境と言えます。
- 大人数での深夜の飲み会の声
- 怒鳴り声(夫婦げんか等)
- 子供を叱りつける声
- 子供がドタバタ走り回り奇声をあげる
こんな音・声がうるさく感じることも普通にありえるのです。
わかば
とはいっても室内だったら家が離れているからそこまでではないでしょう?
実は以外とそうでもありません。戸建ては基本的に木造です。そのため木造同士なら音を容易に通してしまうのです。音だけではなく、振動のようなものも含まれます。
騒音に気を使う集合住宅よりも、気を使わない戸建ての方がうるさい。時としてそんな事もあるのです。
これらは私が経験済みですが、ホント、家によってはうるさいです。特に夏などで騒音発生源宅が窓を開けていたら超絶音が響きます。
道路族問題
近年問題になっているのが道路族という存在です。
道路族が、自宅の近くの道路で騒いでいれば、相当うるさいです。
- ボール遊びをする(壁にぶつけたり等も)
- バトミントンをする
- キャッチボールをする
- 縄跳びをする
子供がいれば、道路で遊ぶのは日常茶飯事です(法律上の問題は別として)。年齢層が少しあがると、本格的なバスケットボールやサッカーなどをすることも。
それに親も参加して騒ぎ出すこともある(汗)ので、たちが悪い社会問題となっています。
周囲に道路族が住むからは運次第。ハズレを引くと定期的な騒音問題となります。
庭でのバーベキューはめっちゃうるさい
一戸建ての醍醐味であるバーベキューは、外でやるので少人数でやっても話し声は結構聞こえます。隣家との距離が近い場合は特にです。
それが大人数になったり、さらにはお酒が入ったらどうなるかは言わずもがな。めちゃくちゃうるさいです。アパート・マンションで学生が飲み会をやっているのとさして変わりません。
当然ですが、隣家が持ち家の一戸建てであれば、庭で何をするにも個人の自由。バーベキューも合法です。
普通は「○日にバーベキューやります」と事前に声を掛けるのが住宅街のマナーなのですが、迷惑な人はそういった配慮もないことが多いです。
趣味の音がところどころで響き渡る
- DIYの音
- 楽器の音
- 薪割りの音
- 大型バイクの音
住宅街であれば、趣味に関する音は普通にいろいろと聞こえてきます。特に土日祝日はうるさい事が多いですね。
特に音量が大きいのはDIYの音で、電動チェーンソーや電動ドライバなど。男子力を見せつけたいのか、「お父さんはりきっちゃうぞー!」的な感じで一日中「キュイーン」「ガガガッ」と、隣でやられた日にはうんざりします。
楽器も、運が悪いとかなりやっかいですね。周辺の賃貸でない戸建てには楽器使用のルールがありません。モラルの無い人は、朝や夜にも練習するかもしれません。
薪割りの音も最近は住宅街でちらほら聞こえるようになりました。かなり力を入れてたたき割るので、隣でやられるとかなりの騒音となります。
車の音・ドアバン
基本的に戸建て住宅には駐車場が隣接しています。よって真隣が駐車場というレイアウトはめずらしくありません。当然、車やバイクのエンジン音などは比較的大きく聞こえます。
自分と生活パターンがあっていない隣人だと、その都度起こされたりなどもあるかもしれません。これはアパート・マンションの1F~2Fにも言えることですが、駐車場(駐輪場)の近さは時にそれ以上になりますので注意が必要です。
あとは人により非常にうるさいのが車の「ドアバン」です。
ドアバンする人は、ご丁寧に毎回ドアバンします。出かける度にバンバン(汗)。隣家がそういう人だとかなり住みづらくなるでしょう。
どうぶつの鳴き声
隣家が賃貸でなければ、どんな動物を飼っていても法律の範囲なら文句は言えません。
個人的に、犬の無駄吠えや、よく分からない鳥(?)の鳴き声に悩まされたこともありました。特に昔ながらの外に犬小屋があるような家が隣だと、無駄吠えすればかなりうるさいです。
無駄吠えをしつけるのは飼い主の責任ですが、それを放任している図太さも併せてイライラしてしまうことでしょう。
一戸建ての臭いに関するご近所問題
騒音問題について取り上げましたが、戸建てで問題になるのはそれだけではありません。臭いに関する問題も普通にあります。
近所から漂ってくるタバコ臭
アパート・マンションでのベランダ喫煙で、タバコの煙にお困りの方は多いのではないでしょうか。特にコロナ禍のリモートワークで増えたと言われます。
ベランダ喫煙、強制的に煙が入ってくるので最悪です。戸建てならそれが無いだけでもありがたいです。
こう思われる方も多いと思いますが、残念ながらそうとは限りません。
そもそも、なぜアパート・マンションのベランダで喫煙をするのでしょうか?
- 自分の部屋を汚したくないため
- 家族に受動喫煙させたくない
- 家族から嫌がられる
よくよく考えると、これらはアパート・マンションに限ったことではありませんよね。
上記のような心理が働く場合、戸建てではどこで喫煙するのかと言えば以下のような場所になります。
- 玄関前
- 庭
- ベランダ
- 駐車場
つまりは屋外の敷地内のどこか、ということになりますね。
アパート・マンションでは手近な喫煙所がベランダでしたが、戸建ての場合はバリエーションが増えただけです。
さてさて、例えば以下のような場所で吸われたらどうでしょうか?
当然隣の家まで臭ってきます。たちが悪いのは、同じ場所で定期的に吸うという点でしょう。ご丁寧に庭に「マイ喫煙所」として、テーブル・椅子・吸い殻入れなどを用意していることもありますので。
さらに言えば、タバコの煙は拡散します。隣の家だけに留まらず、1戸離れた家からも簡単に漂ってくることもあるのです。
以前、隣の隣の家が頻繁に庭で吸っていて、しょっちゅう臭ってきていました。
当然ですが、敷地内の喫煙について他人がとやかく言うことはできません。規約に違反している可能性のあるアパート・マンションのベランダ喫煙よりも、よっぽどたちが悪いのです。
芝焼き・たき火の煙の臭い
ちょっと首都圏から離れると、庭で落ち葉や枝を燃やすのはめずらしいことではありません。地域によっては当たり前に行われていることすらあります。
当然ですが、これをすぐ隣でやられるとめちゃくちゃ辛い(汗)。家の中にまで煙が入り込んできます。
バーベキューの臭い
バーベキューは騒音だけで無く、炭火などの煙で臭いもかなり出ます。クソ狭い庭でもやる人はやるので、隣に住んでいればたまったものではありません。
毎週やるような強者に当たれば、快適な生活を送るのは難しいでしょう。それでも止めさせることはできないのです。
暖炉・薪ストーブ・ピザ釜の臭い
近年、住宅街に増えているやっかいものが薪ストーブです。ほとんど臭いが出ないことをふれこみにしていますがとんでもない。薪を燃やすので実際は付け始めに結構臭います。
使い方が悪いと、焼却施設並みの煙がモクモクと何時間も出続け、辺りの空気を悪くします。特に新興住宅地には設置が多く、煙突もちらほら目にしますね。
ピザ釜も燃料は薪なので同じ問題があります。こちらは結構東京都内などでも設置があるようですが、住宅地で燃やされてはたまったものではありません。
賃貸でない戸建て住宅には、何を設置するのも自由なので仕方がありません。
戸建ての騒音・悪臭問題に関する補足
アパート・マンションと多少異なれど、戸建ても騒音・悪臭の問題はあるということを書きました。
それでも戸建てに興味があるという方に、補足的な説明をしたいと思います。
周辺の非賃貸の戸建てには規約が無い
賃貸住宅には、戸建て・アパート・マンションに限らず規約・ルールがあります。おかげで、その範囲である程度調和がとれるのです。
対して賃貸の戸建て住宅の周辺には、持ち家の戸建て住宅が隣接することも多いです。その場合、規約が無い(及ばない)家に囲まれることになります。
持ち家なら持ち主がどのように使っても良いわけで。例えば以下のようなことも全くの自由です。
- どんなペットを飼おうと自由
- 何時に楽器を弾こうと自由
- 庭でタバコをいつ何本吸おうと自由
- 庭でバーベキューしようと自由
時には迷惑を感じることもあるでしょう。規約が無い家々と隣接した戸建て住宅には、時にやっかいな問題が発生することもあることに注意が必要です。
もちろん法律や条例などのルールはありますが、それに反していなければ何でもありなのです(常識の範囲を大きく逸脱する場合を除きます)。
管理会社に頼れない
アパート・マンションの場合、何か問題があれば管理会社を通じてクレームをつけることができます。しかしながら、周辺の非賃貸の住宅には管理会社の規約・ルールは及びません。管轄外なわけです。
よって管理会社を通してクレームを言ってもらうことは基本的にできません。
クレームを言うには直接言うしか方法が無いのです。以外とこれ、大変なことなんですよ。
大抵は先に住んでいるのは周辺の住民。しかも持ち家同士はご近所付き合いもあり、地域のネットワークもあります。
クレームを言おうにも、自分は新参者でありアウェイな存在ですからなかなか言いづらいのです。
それに、例え言っても聞き入れてくれるかどうかは別の話です。
結局は近くに住む人次第
結局のところ、近くに住む人次第。これにつきます。つまりはアパート・マンションと同じということですね。
戸建てだから、などというくくりはできないと思います。想像力が欠如した迷惑な人はどこにだっています。そんな隣人であれば、どこでも住みづらいのです。
私自身、良くも悪くも様々な経験があります。まずは良い例から。
- 【アパート】壁は薄いけれど快適
- 【マンション】他人の存在を意識しないほど快適
- 【戸建て】他人の存在を全く意識しないほど快適
特にアパートで快適だったのは、周りの人が常識人だったということが大きいです。
逆に悪い例もあります。
- 【メゾネット】隣人の歩く音すら聞こえるほどうるさい
- 【マンション】上階の生活音(足音・ドアの開け閉め)がかなり響く
- 【戸建て】向かいの家の子供がうるさい。道路族。タバコが迷惑。
例え音が出にくいマンションでも、無配慮にドシドシ歩けばうるさいです(建物の構造・性能もあるとは思いますが)。
つまるところ、アパート・マンション・戸建ては周囲に住まう人による運次第。“隣人ガチャ/ご近所ガチャ”だということです。
住宅は防音の性能にもよる
防音に関しては住宅の性能も要因となります。住宅の住宅は性能はピンキリ。アパート・マンション・戸建てのいずれにもあてはまることですが、性能が低ければそれだけ音は響きます。
例えば戸建てなら、賃貸用に建てられた物件であれば壁の薄さ(外壁+断熱材+石膏ボード)は、安アパートと同レベルだと考えられます。同じ木造ですからね。
安価な建物や古い建物は、外からの音をかなり通します。
一方、防音性能の高い断熱材、例えばセルロースファイバーなどの素材が使われていれば防音効果は違います。まあ賃貸だとあまり出回らないでしょうけれど……。
築浅の注文住宅で建てられた家の方が、高性能な場合が多いです。私も一度だけ住めましたが全然違います。
この辺はいずれ別記事で掘り下げて記事にしたいと思います。
まとめ
アパート・マンション等の集合住宅に住まい続けてきた方にとって、一戸建てはあこがれるところもあると思います。
しかし戸建てにも騒音・悪臭トラブルはありますので、過度な期待はしないように気をつけた方が良いでしょう。住宅は戸建てに限らず周辺に住まう人次第です。
とは言え“隣人ガチャ”で当たれば、室内なら他人の生活音はほとんど聞こえないこともあります。そういった時の快適さを考えると、個人的には戸建ても充分に魅力的だと考えています。
私は荷物が多いので、戸建て経験も多いです。庭も必ずありますし、一人暮らしでも選択肢としてありだと思いますよ。
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