賃貸アパート・マンションに入居していれば必ずといっていいほど経験するのが、他の入居者による迷惑行為です。人への配慮ができない人もいますし、配慮していても及ばないこともありますしね。
もちろんお互い様なところもありますので、神経質になりすぎるのもよくありません。ですが度が過ぎる場合は迷惑千万ですし、快適で穏やかな日常生活も脅かされてしまいます。
本ページではそんな入居者間の迷惑行為・問題・トラブルが発生した際に、どうやって解決したらよいかの基本をまとめました。現在お困りの方にとって、問題解決のお役に立てれば幸いです。
入居者間トラブルの種類
そもそも、迷惑に感じる行為・入居者間トラブルにはどういった種類のものがあるかを見ていきましょう。大きく分けると、以下の3つに分類されます。
- 騒音・振動
- 悪臭
- その他迷惑行為
一つずつ詳しく見ていきたいと思います。
騒音・振動
最もよくある入居者間トラブルは騒音でしょう。騒音にはいくつもの種類があります。
- 話し声・けんか・飲み会・電話する声
- 音楽・テレビ・ラジオの音
- 歩き回る音
- 子どもがはしゃいだり飛び跳ねる音
- ドア・窓・網戸の開け閉め
- トイレを流す音
- 入浴・シャワーの音
- 掃除機をかける音
- 洗濯機を回す音
- 洗濯を干す音
- ペットの鳴き声
ほとんどがいわゆる生活音というやつですね。最近だとコロナ禍の自粛で室内の運動をしていたり、ユーチューバーによる踊ってみた、歌ってみたなどの映像撮影によるトラブルもあるみたいです。
ユーチューバーのフワふわちゃんの場合は左・右・下から苦情が来て引っ越されたとのこと……。どれだけ周りが迷惑を感じていたかうかがい知れます。
悪臭
悪臭もまた騒音と並んで多いトラブルです。大きく分けると、屋外の共有部分であるベランダ・廊下・階段などで発生するもの。そして別部屋の室内から漂ってくる臭いがあり、避けられないためかなり厳しいものがあります。
- 隣から常に悪臭がする(ゴミ屋敷など)
- 共有部分においたペットの糞尿
- 共有部分に置いた生ゴミ
- 共用部でのタバコ喫煙
- 共有部分でのバーベキュー
- 蚊取り線香の臭い
- お香の臭い
- 洗剤・柔軟剤の臭い
- 燻製の臭い(ベランダor換気扇)
- 度を過ぎた料理の臭い
タバコは以前よりホタル族による問題がありました。しかし最近ではコロナ禍の自粛により、被害が顕在化しているケースも多いようです。自粛のストレスをベランダバーベキューで晴らすというあり得ないケースもニュースで話題になりました。
あとはレノアやダウニー等の、強力な臭いを発する柔軟剤による“香害”も問題視されています。
料理についても常識から逸脱したものは迷惑になり得ます。例えば豚骨をいつも煮込んでいるような強い臭いを発していたり、燻製も時間や頻度によっては迷惑行為になり得ます。換気扇は外に繋がっているので、辺りに臭いが充満するからです。
その他迷惑行為
その他、音や臭いが絡まなくても迷惑となる行為があります。
- 共用部分でのタバコのポイ捨て
- 共有部分に私物を置く
- ゴミを指定の日に出さない(カラス害など)
- ベランダでの野鳥の餌付け(糞害など)
- 嫌がらせ
- 過剰なクレーム
- その他禁止行為を行っている等
管理規約で制限されている行為でないかを確認する
まずは迷惑・問題・トラブルとなっている該当行為が正しい行為なのかどうか。それを判断することも重要です。
管理規約はその建物内の法律も同然
アパート・マンションなどには管理規約というものがあります。管理規約はその建物内の法律のようなもの。そこに住まうからには絶対に守らなければならないものです。
したがってここに記載があれば、相手の行為の可否が分かることがあります。真っ先に確認しておくのが良いでしょう。
アパート・マンションの管理規約は、管理が行き届いている物件であればきちんと明文化されているものです。契約時に賃貸借契約書と共にもらっている可能性があるので、契約当初の資料をチェックしてみてください。もしも手元になければ管理会社に確認してみましょう。
管理会社が存在しない物件の場合は、管理組合や大家さんに聞いてみてください。
明確に制限する記載があるか
まずは管理規約内に、明確に制限する記載があるかを確認します。
例えばベランダ喫煙に困っているとしましょう。その場合、「アパート・マンション内での喫煙を禁止する」的な条項があれば、その敷地全体で喫煙がNG行為なことは明らかです。
他には「共用部分での喫煙を禁止する」であれば室内はOK。しかしベランダ喫煙はNGということになります。
このように、明確に記載があれば非常に心強い根拠となります。明確に反していることであれば、改善してもらえる可能性も高まるでしょう。
間接的に制限する記載があるか
先ほどのように明確に禁止されていなくても、間接的に制限が記載されていることもあります。
例えば「共用部での火気の使用を禁止する」であれば、タバコは火気ですからベランダ喫煙は禁止と判断できそうです。同時にベランダバーベキュー・ベランダ燻製も駄目だということになりそうですね。
ただ、そういった間接的な記載の場合、解釈が曖昧になるのが困りものです。例えば以下のような解釈もされかねません。
ベランダでの電子タバコならいいってことだよね!?
ベランダに足がつかないように窓から乗り出して喫煙すれば良いってことになっちゃうの!?
カセットコンロでなくIHヒーターならベランダバーベキューもいいんだよね!?
個人的にはトラブルに発展しやすいことは明確に書いておいてほしいと思うところです。規約の書き方を盾にごねる人もいそうですからね。こういった微妙なケースの判断は管理会社がすることになるでしょう。
管理規約で制限されていない場合はどうする!?
アパート・マンションの管理規約で一切触れられておらず、なんら制限されていないならOK行為?諦めなければならないのでしょうか!?じつはそうでもありません。
一般的なアパート・マンションの管理規約や、そもそもの賃貸借契約書には、「他の入居者の迷惑になる行為を禁止する」的な文面が必ずと言ってよいほどあります。
ですから現在あなたが迷惑を被っていると感じているのであれば、それは正当性があることかもしれません。被害の感じ方は人それぞれですので一概には言えませんが、一度管理会社に相談してみてはいかがでしょうか。
同じ建物に共同で生活しているので特別なわがままは言えませんが、こちらも平穏に暮らす権利もあります。腰が重いかもしれませんが、問題の解決を望まれるのであれば相談してみては。
管理会社に相談する
管理会社とは、該当する物件を管理している会社です。物件自体のオーナーとして大家さんがいたとしても、個人が管理するのは非常に大変なもの。専門の管理会社が管理していることも多いです。
ここでは便宜上「管理会社」と書きますが、管理会社が存在しない場合は、大家さんや管理組合などと読み替えてください。
トラブルはできるだけ管理会社を通すのが原則
ついつい自分で動いてしまう気持ちも分かりますが、まずはこの管理会社に相談することが何よりも重要です。その理由は以下の4つです。
- 当事者同士が話すとトラブルが起きやすい
- 相手の行為に正当性があるか相談に乗ってもらえる
- それぞれの入居者の間に立って交渉してくれる
- 誰からだか分からないように注意してもらえる
これだけのメリットがあるのですから、相談しない手はありません。管理会社もそれがお仕事ですから、被害を感じているのであれば遠慮も不要です。
ありのままに伝えることが大事
管理会社に相談する際、ついつい自分が有利に、相手を不利にするような発言をしてしまうことがあります。
- 保身のため
- 相手への憎しみのあまり
- 相手の迷惑行為を止めて欲しいため
- 担当者の同情を引き出したいため
……などなど気持ちは分かるのですが、あまりに誇張してしまうと問題です。逆に誇張が明らかになった場合、こちらの言い分全てに信憑性が無くなってしまうこともあるからです。
多少であれば管理会社も慣れたものでしょうが、事実と異ならないようには気をつけてください。
管理会社がやってくれること
管理会社に相談すれば、こちらの訴えについて管理規約などに基づき助言してくれることでしょう。結果正当性があれば何らかの対応してくれることがほとんどです。どんなことをしてくれるかと言えば、以下のようなものです。
- 全室への注意喚起のビラの投函
- エントランスの案内板への注意喚起の掲示
- 直接本人に確認・注意
- 入居者間に入ってのやりとりの仲介
ビラを全室に配るのは、良く言えば「誰から」「誰へ」のクレームか分からないような配慮です。悪く言えば消極的とも言えるわけですが、相手が明確な違反をしているわけでなければこのような手法を採られることが多いです。
逆に言えば「誰へ」が明確でないため、図太い人には自分のことだと伝わらないこともありますが。
どうして欲しいか具体的に要望があれば、相談の際に申し出ると良いでしょう。
必ずしも解決してくれるとは限らない
基本的に、管理会社は中立の立場です。あなたが被害を訴えればそれを聞いてくれますし、必要に応じて間に入り、相手の意見も聞いてくれるでしょう。しかし、あなたに正当性が無いと判断すれば対応してくれない可能性もあるのです。
加えて、やる気の無い管理会社や、全く使えない管理会社もあります。注意喚起のビラをまくだけで実質動いてくれない場合もめずらしくありません。「どちらの主張が正しいか判断できないので、こちらではどうにもできない。当事者同士で解決して欲しい」という大手の管理会社もありました。
つまりは管理会社に頼っても必ずしも解決してくれるわけではないということです。そんな状況で加害者に改善してもらうには、残念ですが自分で直接相手と交渉するしかありません。
相手と直接交渉する際の心構え
相手と直接交渉するというのは非常にセンシティブな行為です。ちょっと言葉を間違うだけで、険悪な関係=改善不可能な関係にもなりえるからです。
相手と直接交渉する際には、事前に心構えを知っておくと良いでしょう。
直接交渉は最終手段
改めて書きますが、よほど交渉がうまい人を除き、相手との直接交渉は最後の手段と思ってください。世の中には、頭がおかしい相手・気難しい相手も一定の割合で存在しますので。
直接交渉が難しくなる根本的な理由は、直接話すのはどうしてもカドが立ちやすいということにあります。交渉の内容を要約すると「あなたの行動に迷惑しているから改善して欲しい」ということですからね。相手も良い気がしないのは当然です。
しかも相手にとっては迷惑を掛けている自覚すらないことも多いもの。真っ当な家賃を払って普通に生活しているだけなのに、なんで同じ立場の人に文句を言われないといけないの!?という気持ちになるのも分からなくはありません。
というわけで、本当に管理会社が役に立たないなどの場合のみ、直接交渉をご検討ください。快適な住環境を管理するのは管理会社の仕事です。お尻を叩けば動いてくれる可能性がある内は、そちらに注力した方が良いでしょう。
交渉にはクレームや非難はNG。お願いベースがマル
人対人の交渉には、コツがあると私は考えます。
- クレームを付ける
- 迷惑行為だと非難・否定する
- 改善してくれとれと命令・強要する
- 一方的に要望を伝える
こういった伝え方をすると、相手も身構えます。人間、攻撃されていると感じたり、否定されたりすると「なにおう!」と反論したくなるものです。このようなストレートな物言いがいつも通用するのは、あなたが強面の場合のみでしょう。
世の中の大多数の人は、言い方を間違えない限りは相手の言い分に耳を傾けてくれます。相手を身構えさせないよう、非難・否定しないように。そして交渉は「お願いベース」が最善と思います。
例えば年下にだって見知らぬ人には敬語が基本ですよ。
できるだけ敵対心を抱かせないことが大事
最も大事なことは、決して相手に敵対心を抱かせないことだと私は考えます。というのも、一度相手に敵と認識され心を閉ざされてしまえば、問題解決は非常に難しくなるからです。
もう少し簡単に言えば、「嫌われないこと」と言い替えても良いでしょう。誰も嫌いな人の言うことに耳を貸したくないことは分かりますよね。
人間、好意を持っている人と嫌いな人とでは、時に真逆の感情が生まれることもめずらしくありません。好きな人に「朝は寝ているからドアを静かに閉めてもらえたらうれしいな」と言われれば「ごめん!」と素直に思いますが、嫌いな相手から同じ事を言われても「うざ」と思うものです。
好きになってもらえれば最強ですが、さすがにそれは無理な話。少なくとも嫌われるのだけは避けたいところです。
嫌われる原因は、物の言い方と内容です。先ほどお願いベースが大事と言った理由もこれです。相手の心証を害するような言い方には気をつけましょう。こちらも相手に対し、敵対心を持たないことも重要です。
相手の権利も認める気持ちも大事
相手にもこちらと同じように、家賃を払い、快適に生活する権利があります。ですから迷惑行為を一切止めて欲しいなどの、歩み寄りの姿勢のない要求は止めましょう。
例えば生活音ですが、生活していれば全くのゼロにはできませんよね。気をつけてほしいという自分の権利を主張するのは当然ありですが、相手の気持ちも考える必要があります。自分も生活音を出しているわけですから。
入居者間トラブルでよく使われることとして「受忍限度」という考え方があります。受忍限度とは、集合住宅にて生活をする上で一般に我慢する程度のこと。簡単に言えば「お互い様」と言える範疇かどうかということです。
相手の行為がこの受忍限度以内かどうかは、明確な線引きはないため分かりません。ですが少なくとも相手にも自分と等しく権利があること。歩み寄りの姿勢も時に必要なことは認識しておく必要があります。
話の通じない相手は一定の割合でいるという事実
40年ちょいの私人生ですが、これまでの人生経験で分かったことがあります。それは、人間には一定の割合で話の通じない相手がいるということです。
体感的には20%くらいはとても気のいい人。60%くらいは普通の人(逆に言えば言い方次第で交渉が良くも悪くもなる人)。15%くらいは気難しい人。残り5%位は話が通じない人というイメージです。
最後の5%前後にあてはまるような人には、いくら丁寧に交渉しても時間の無駄。逆にこちらへの報復・仕返しなども考えられますし、関わり合いにならない方が無難に思います。
もちろんこの数値に根拠はありません。あくまで私がこれまで生きてきた上で、話の通じない割合は一定数いるという比喩ですのでご了承ください。
時に人間が嫌になることもありますが、良くも悪くもこれが人間の多様性なのだと割り切って考えた方が良いのかもしれません。
思い返せば学生時代、30~40人のクラス内に1~2人は問題児がいたような。人間の性質はたいして変わらないので、あながち外れていない数値にも思えます。
交渉が苦手な方は手紙の投函でも可
直接交渉するのは緊張してしまうし苦手。しかもどんな人が住んでいるのかも分からないから恐いし嫌だな。
……という方もいらっしゃることでしょう。そういう方は、直接交渉せずに手紙をポストに投函するという方法もあります。
この方法であれば、必要であれば匿名で出すこともできます。言いたい内容を充分に推敲して伝えることもできます。
メリットだらけ……とも言えそうですが、口から出る言葉と違い何度でも読み返せることに注意してください。というのも目に見える文字として残るため、下手なことを書くといらだちを増幅させることにも繋がりかねないからです。
匿名で出せるからと言って過激なことを書くのはNG。会って言葉で伝えるのと同じく、お願いベースで丁寧に書かれると良いでしょう。
直接交渉する
管理会社も役に立たない。仕方が無いからいざ、相手と直接交渉する……という場合の注意点などを考えてみます。
万一のため録音しておくと安心
今や専用のICレコーダーなどが無くてもスマホアプリで簡単に音声の録音ができる時代です。念のため会話のやりとりを録音しておくとより安心できるでしょう。
録音さえしておけば、言った言わないの問題を避けられます。管理会社に対しての証拠としても機能します。無料で万一の際の保険にもなり得るため、録音しておいて損はありません。
無料アプリはいくらでもありますが、私は以下のようなアプリを入れています。ちょっと録音する程度であれば、何を入れてもいいとは思いますが。
使用の際は、わざわざ録音している等と相手に言う必要はありません。敵意をむき出しにしているようなものですからね。
無承諾の録音に対する後ろめたさや、法的に問題があるか気になる方もいるかもしれません。私は法律の専門家でないので100%問題無いとは言えませんが、基本的には問題無いようです。
録音は基本的に適法です。相手の了解を得ないまま録音しても、そのこと自体で罪に問われることはないでしょう。
出典:他人との会話をこっそり録音するのは合法か | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
ただし録音した内容を不特定多数に公開するような用途をしてはいけません。その場合、プライバシー権侵害や名誉毀損になる可能性があるので気をつけましょう。
女性の場合は付き添いをお願いするのも手
女性の場合、物騒な事件に巻き込まれる可能性もゼロではありません。男性から甘く見られて嫌がらせされることもありえます。考えたくもないことですが、相手がモンスターだったときのことを考えればリスク回避には念の入れすぎは無いと思います。
もしも可能であれば、知人などに付き添ってもらうのも有効な手段です。特に何もしゃべってくれなくても、一緒にいるだけで少なからず効果はあるでしょう。
訪問は深夜・早朝を避ける
相手が夜仕事で疲れているときや、朝寝ぼけている時では交渉も思い通りにいかないかもしれません。人によっては朝早い仕事で早寝早起きの人、夜遅い仕事で遅寝遅起きの人もいます。訪問の際は、深夜・早朝などを避けるのが無難でしょう。
もちろん昼は寝て夜は仕事の人もいるわけですが、それを言ったら行けなくなってしまいます。常識的な時間を選んでおけば充分です。
出てもらえない場合には、時間帯や曜日を変えてみると良いでしょう。
インターホン越し!?対面!?
そもそも論ですが、相手の部屋でインターホンを鳴らす際、インターホン越しのままでも交渉はできます。相手に出てきてもらうか、インターホン越しに話すかどちらがよいでしょうか。
私も完璧な答えが出たわけではありませんが、個人的には対面の方が良いように感じます(少なくともこちらが男性であれば)。というのも、インターホンでは相手の顔が見えないからです。
顔の見えない相手の被害を想像するのは難しいこと。相手に出てきてもらう手間が発生するのは恐縮ではありますが、できれば「●●号室の●●ですが、お部屋のことで少しお時間良よろしいですか」と出てきてもらいましょう。
突然のことで相手が難色を示した場合、「突然で大変失礼しました。それでは改めますので何時頃に伺ったらよろしいですか?」と聞けば良いでしょう。
相手を見極める
相手が出てきてくれて、無事お願いをすることもできたとします。その際、できれば相手のことを観察することができればベストです。
- 粗暴か、温和か
- 被害を意図していたか、意図していなかったか
- 協力的か、非協力的か
- 話が通じるか、通じそうにないか
- まともな人か、危ない臭いのする人か
先ほども書いたとおり、一定の割合でモンスターは絶対にいます。話が通じそうもない場合、自分に危害が及びそうな場合は交渉を諦めた方が安心です。話しながら、まともな相手かを見極められるとベターです。
実際問題、話すのが精一杯でよほど余裕が無いと難しいかもしれませんが、明らかにダメな人かどうかくらいは肌で感じられることもあります。
解決できない場合の方法
これまでで改善できればベストです。しかし相手に伝えたけれど、怒らせてしまった。または暖簾に腕押しで効果がない。……等など、改善が見込めないことは往々にしてあります。
こればっかりは仕方がありません。そういった場合の選択肢を考えてみたいと思います。
我慢する
どうしてもそこに住みたい場合、もしくは事情により住まなくてはならない場合。我慢するという選択肢があります。
同じ家賃を払っているのに不快な思いをしてまで住み続けるのは正直不満があることでしょう。しかし諸事情によりどうしようもない場合は我慢も仕方ありません。
私もお金が足りずに引っ越せないこともありましたから、気持ちはとてもよくわかります。それをバネにして早くお金を貯めよう!と仕事を頑張ったこともありました。
あとはできるだけ対策した上で、気にしないようにすることくらいでしょうか。騒音なら厚手のカーテンや耳栓を買う。臭いならできる限り閉めきるなどすれば軽減できることもあるかもしれません。
充分に対策したら、後はどうにもならないことは気にしない、忘れるのが心を守る方法です。
民事調停
第三者の助けを得て解決したい場合に有効な手段が民事調停です。
民事調停とは、民事に関する紛争の解決方法の一つ。中立な調停委員会が双方の言い分を聴き、お互いが歩み寄れるよう助け、問題解決に導きます。
民事調整は、あくまで合意・解決をすることが目的であり、裁判のように強制的に白黒つける争いではありません。それでいて当事者間が合意し調停が成立すれば、裁判の判決と同じ効力を持ちます。
とは言ってもメリットだけではなく、調停には強制力が無いので、相手が裁判所に出頭せずに骨折り損になることもあります。
裁判(民事訴訟)よりも費用的に安く、手続きが簡単なため比較的ハードルが低い。……とは言え賃貸アパート・マンション内のトラブルにおいては、そう易々と利用しようと思いづらいのが正直なところです。
民事訴訟
多くの方がご存じなのが民事訴訟。裁判により、法律上どちらの言い分が正しいかを強制的に決める制度です。民事訴訟とは異なり、相手も基本的に無視することはできません。
入居者間トラブルは、問題の性質上相手から多額の損害賠償金を取ることは難しいと考えられます。そのため、本人訴訟と呼ばれる弁護士を立てない訴訟も可能ですが、相手が弁護士を立ててくる可能性もあります。そうなると当然不利と言わざるを得ません。
こちらも弁護士を立てればおそらく採算が取れないでしょうし、手間もかかります。現実的にはかなり高いハードルがあると言えるでしょう。
加えて訴訟した相手との関係は、勝っても負けても最悪になります 。 。
引っ越す
はい、これが一番楽で最もお勧めする方法です。当サイトは特に「一人暮らし」がテーマです。そんな身軽な状況の方でしたら、別の賃貸アパート・マンションに移り住んだ方が時間も労力も節約できます。
引越し費用の数十万で問題が全て解決するのであれば、民事訴訟するよりも断然楽ですよね。
特にモンスター相手の場合は話しても時間の無駄です。報復などの被害があるかも分かりませんから、引っ越してスッキリしてしまった方が心理的にも楽だと言えるでしょう。
ただし、引っ越しても100%問題が解決するとは限りません。というのもそれが集合住宅(住宅地)に住むという事だからです。
- 引越し先でも同じような問題が発生した
- 引越し先でまた違う問題が発生した
というケースもありえます。特に自身が神経質すぎる場合はどこに引っ越しても同じです。
できるだけ問題を避けたい場合は、戸建て賃貸も選択肢に入れると良いかもしれません。もちろん戸建て賃貸でも近隣の住民とのトラブルはゼロではありませんが、建物が離れているのでアパート・マンションよりは軽減されるでしょう。
戸建て賃貸でも問題になるようなら人里離れた山奥に住むしかなくなりますが……。
まとめ
以上、賃貸アパート・マンションでの入居者間トラブルの対応の基本についてまとめました。これらの内容は、あくまで大多数の常識的な大人を対象にしたものです。
しかし実際の相手の性格は人それぞれです。100人中100人が同じ対応法がベストという訳ではありません。ここに書いてあることが唯一無二の方法とは思わず、相手によって柔軟に対応されると良いでしょう。
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