ネット通販で頼んだものが家に届き、ホクホク顔で開けようとしたら……なんだか臭う!?そういった経験はないでしょうか。ネット通販を1000回以上利用している私は、何度も経験があります。
中でも一番嫌だったのが、鼻を近づけなくても分かるほどのタバコ臭と芳香剤臭です。特に購入したものが食品だった場合のがっかり度合いといったらありません。
本ページでは、なぜ宅配便で届いたものに臭いが発生するのか、理由や責任の所在、対処法などについて考えてみたいと思います。
臭いの種類と考えられる理由
一口に臭いの種類と言っても、実際に臭うのは箱の外側と内側に大きく分かれます。それらごとに、臭いの種類と考えられる理由について見ていきましょう。
外箱の臭い
外箱、ここではダンボールと仮定しますが、普通に考えれば外部要因での臭いです。ダンボールが作られてから届くまでの間、いつ臭いがついてもおかしくありません。
となると推測が難しくなりそうですが、私の経験では配送業者に渡ってから付着したと思われるケースがほとんどと推測します。
特に新鮮なタバコの臭いは、ついたばかりなんだなと体感的に分かります。
タバコの臭い
配達員の方のタバコ喫煙が主な原因と考えられます。大型トラックの場合はありえませんが、小型車(バン)の場合、運転席と荷物置き場が繋がっています。ですので休憩時に車内でタバコを吸ってしまうと充満し、臭いがついてしまうわけですね。
現在の大手宅配会社は車内が禁煙になっているはずですので少なくなっていますが、以前はたびたびありました。タバコは吸ってはいけない場所でも吸う人がいるほどの、非常に強い依存物質です。そのため現在でも可能性はゼロではないと思います。
芳香剤の臭い
便宜上、芳香剤と書きましたが柔軟剤や洗剤、防虫剤、殺虫剤、香水などの一式があてはまります。これらは臭いが非常に強く、臭い移りしやすい代表各と言えるでしょう。
例えば配達車内の車用芳香剤や、積載している他の荷物(洗剤・芳香剤等)の移り香で臭ってしまうことがあるようです。
その他不快な臭い
カビっぽいようなまだ推測できそうな臭いから、なんだかよくわからない不快な臭いもあります。例えば販売店のダンボールの保管が悪かったのか?配達車内のしみついた臭いなのか?倉庫の臭いなのか?
臭いの種類が分かればまだしも、微妙な場合は原因を探るのは残念ながら難しいです。
いつも同じ変な臭いがつく特定の配送業者さんがありました。何の臭いだったのか謎です(汗)
箱の中・商品の臭い
内箱の臭いは、商品自体が臭う場合と、箱内全体が臭う場合があります。以下のような原因が考えられます。
- 商品自体の元からある臭い
- 商品の保管時についた臭い
- 同梱商品の臭い(が箱内に充満した・移った)
一見大差無いように見えますが大違いです。後述しますが、どれにあてはまるかによって責任の所在も変わってくるからです。
タバコ臭
箱内・商品だけがタバコ臭いというのはめったに無いと思います。ありそうな例としては、古本や古着など、中古品を購入した際など。ヘビースモーカーの部屋にあった置いてあったマンガの臭いを想像すると分かりやすいかもしれません。
特にオークションやフリマなど、個人間取引の場合に多いと思います。きちんとしたお店で購入すれば、訳あり品でもなければ普通はまずないでしょう。
芳香剤(など)
その商品自体や同梱商品にも心あたりがなければ、販売店での保管時に付着した可能性が高いです。ドラッグストア商品も扱う大規模ショップではたびたび発生することです。
食品しか買っていないのに箱の中のもの全て芳香剤の臭いプンプンだったことがあり、その際はひどくげんなりしました。
カビ臭
カビっぽい環境で商品を保管してしまったか、商品自体に不具合がある可能性があります。食品の場合は健康上の問題もありますし、販売店に相談した方が良いでしょう。
薬品臭
薬品臭がする商品の近くで保管してついたか、商品自体に不具合の可能性があります。
私もいつも購入している水(コントレックス)が、明らかに薬品臭いことがありました。パスタなどでもそういう意見を耳にします。その製造ロット全体で発生している商品の不具合等も考えられるので、特に食品の場合は販売店に相談した方がよいです。
家具等の場合はVOC(揮発性の有機化合物)でシンナーのような臭いがすることもありますが、これはよくあります。
石油臭
安物の衣類やゴム・プラスチック・発泡スチロール・皮が使われた製品を購入すると、揮発しているかのような凄まじい石油臭がする場合があります。そういった商品でない場合は、販売店に相談してみるとよいかもしれません。
腐敗臭・下水臭
めったにありませんが、腐りかけている(痛んでいる)可能性があります。品質管理や温度管理ができていなかった可能性があります。ただし安いお肉や海産物等、一部の生ものは元々そんな臭いがする場合もありますが……。
これに関しては、製品の問題・販売店の問題・配送会社の問題(輸送時の温度管理)と、原因の幅が広く推測が難しいです。
安価でない食品の場合や、食べられないレベルの場合は販売店に相談されることをお勧めします。
実際のところ、生臭い・強めの臭みなど、微妙なものはクレームを入れない人も多そうです(私もそう)。
臭いに対する責任の所在
数ある臭いの種類を確認したところで、その責任の所在を考えてみたいと思います。よく考えれば当たり前のことであっても、責任の所在を意識することで、クレームを言って良いのか・誰に言えば良いのかがより明確になります。
もともとの商品の臭い【メーカーの責任】
もともとその商品自体が臭い場合、どこのお店で買ってもその商品は臭いわけです。売ったからにはお店にも販売責任はありますが、商品に関してはメーカーの責任ですよね。
これは以下の3つに分けられます
- その臭いが通常の仕様(メーカーとして問題無し)
- たまたま臭いが強めに出た(メーカーの仕様内として問題無し)
- 明らかな異常な臭い(メーカーの仕様外で問題有り)
仕様の範囲内の場合は仕方がありませんが、異常な臭いの場合は究明してもらいましょう。購入直後であれば、販売責任もあることですし販売店に相談するのがお勧めです。
直接メーカーに伝えても対応してくれるかもしれませんが、販売店が把握できないと被害が広がってしまうこともありえますしね。
商品保管時の臭い【販売店の責任】
販売店が商品を仕入れても、それがすぐに売れるわけではありません。数日~数ヶ月売れないのは普通で、時には年単位で在庫してしまう場合もあります。
その際、近くに臭いの強いものがあったり、カビ臭いなど環境が悪ければ臭いも移ります。特に空気口がついている製品(お米やパスタなど)や、味のついてないもの(水など)は移りやすいですね。
当然、これは販売店の責任です。ただしもともとの商品自体の臭いや、商品の不具合の臭いとの判別が難しいこともあるかもしれません。疑いがある場合は、まずは販売店に問い合せてみるのがよいでしょう。
同梱商品の臭い【自分の責任?】
臭いの強いものとそうでないものを一緒の箱に入れ、時間が経てば臭いが移ってしまうのも当然です。
これに関してはご年配の方やネットに不慣れな方は「店側も分かるでしょ」「気を利かせてくれてもいいのに」と思うかもしれません。しかしネット通販は1注文単位で同梱するのが基本です(販売店側の都合で倉庫が分かれている等を除く)。
その理由は、何と言っても送料がかかるから。リアルの場合は袋を分ければ済む話なのでコストは数円ですが、ネット通販の場合は送料が500円~1000円前後です。これをサービスして、と望むのは酷というものでしょう。
せめて袋に入れてくれる程度は気を利かせてほしいですが、個人的には自己責任かなと思います。分けたければ、2回に分けて注文を確定し、2回分の送料を自分で負担すればよいですので。
中小ネットショップの場合、注文を2回に分けても気を利かせて同梱されてしまうこともあり得るかもしれません(通信欄などで事情を伝えるのがベター)
配達時の臭い【配送業者の責任】
外箱がやけに臭う場合は、配達時の臭いが非常に高いです。これは当然、配送業者の責任になります。
しかし芳香剤臭いなどの場合は一緒に積む荷物が原因の場合もあり、これはどうにもなりません。一度や二度の「たまたま」程度なら仕方ないでしょう。
毎回強く臭うなどの場合や、強いタバコ臭の場合。そして冷凍品が解凍されていて痛んだ臭いがする場合はクレームを入れてもよいと思います。
臭いが強いときの商品への対処法
臭いが強いダンボールor商品が届いてしまった。そうなってしまったら現実的にどう対処すればよいかを考えてみます。
交換してもらう
使用に耐えない(または食べられない)等、明らかな問題がある場合は交換してもらうのが最もストレスがないです。もしも不具合であれば、こちらにも要求する権利もありますので。
ただし面倒くさいのが最大のデメリットと言えるかもしれません。
注意点としては、お店の保管状態が悪かった場合や、同じ製造ロットに問題があった場合。残念ですが、交換品も全く同じ臭いがするものが届くこともありえます。
交換品が同じ臭いのものだった時の残念感といったらありません。。
我慢するor捨てる
我慢して使用する(食べる)か捨てるという方法です。クレーム・返送・再度受取りは面倒くさい。それでまた同じようなものが届いたら時間の無駄。
そう考えると、我慢するor捨てるという選択肢もありと思えてきます。
せっかくお金を出して購入したのにもったいない気もしますが、忙しい人や面倒くさがりな人にとっては合理的なのかもしれません。
洗えるものは洗う
我慢することを選択した場合でも、多少なりとも改善できることもあります。
水に濡らしても問題無い商品であれば、洗えば臭いが飛んでくれるかもしれません。水洗いが基本ですが、食品でなければ(臭いの少ない)洗剤を使うのも手でしょう。臭いの種類によっては重曹が効果的な場合もあるようですね。
私の場合、妙に石油臭い靴下を購入したことがありますが、数回の洗濯では全く落ちず。何度も手洗いしてやって落とせました。
ただしこれをやってしまうと返品・交換はできなくなる可能性が高いのでご注意ください。
風にさらす
風にさらして臭い成分を飛ばす方法です。洗える製品はもちろんのこと、洗えない製品でも用いることができる方法です。
ただし効果のほどは低いと言わざるをえません。また、効果を感じるまでに時間がかかることもあります。
日向に置いてしまうと紫外線で痛んでしまう商品の場合は、日陰のほうが良いと思います。
購入者としてできる自衛策
交換してもらえても面倒ですし、我慢してもストレスが溜まります。ですので、
もうこんなことはごめんだ!
今後できるだけ同じ目には遭いたくない!
……と考えるのが人間ですよね。そこで、購入者としてできる自衛策を考えてみました。今後の改善のため参考にしていただければ幸いです。
そういう店では(商品は)二度と買わない
二度と買わないこと。とても分かりやすく効果的な自衛策です。
メーカーが原因の場合は、その商品またはその会社が作る全ての商品を。販売会社が原因であれば、その会社が運営するネットショップでは買わないことです。
今の時代、同等品質の商品や、同じものを取り扱うネットショップは大抵あります。こういった購入者の判断で商品や会社は淘汰されていくわけですから、気にする必要は無いと思います。
販売店にクレームを入れ改善してもらう
なかなかそう簡単に「もう買わない」とはいかない場合もあります。
- そこでしか買えない商品の場合
- 価格的メリットがある場合
- そのネットショップに愛着がある場合
こういった場合は、販売店に改善を要求するクレームを入れてみてはいかがでしょうか。
大規模ネットショップは同一クレームが多発していない限りほぼスルーされるので期待薄かもしれません。しかし中小のネットショップなら耳を傾け、改善してくれる可能性もあると思います。
それでも改善されなければ、甘んじて受け入れるかor買わないか、改めて検討となりますね。
臭いの強そうなものは他と一緒に買わない
同梱商品の関係で箱内に臭いが移ってしまった場合。これは先ほどのとおり、ネット通販の世界では自己責任だと思います。
自己責任ということは、自衛策が簡単だということを意味します。
例えば臭いの強そうなものは単品買いをする。もしくは臭いが移っても問題無いものと買うなどです。私も洗剤類を買うときは、瓶や缶など臭いを通さないもの以外の食品は同梱しないようにしています。
宅配会社にクレームを入れる
宅配会社に問題があると想定される場合は、クレームを入れれば以後改善される可能性があります。例えば外箱の明らかなタバコ臭や、冷凍商品の温度管理が問題の場合などですね。
その場合、直接本人に言うか、会社のサポートに言うかの問題があります。
私は直接の角が立たないサポートに言うのが良いと思います。ただしそれでも当の本人が咎められる可能性があり、逆ギレ・報復を受ける可能性もゼロとは言えません。相手に住所も知られていますし恐いですよね。
ですので可能であれば匿名でクレームを入れるという手もあります。地域さえ伝えれば大抵は配達担当社も分かると思いますので。
あまり無いとは思いますが、配送車が禁煙になっていないような場合は対応してもらえない可能性もありえます。
ドラッグストア製品も売っている大規模ショップは注意する
ネット通販を約20年ほど利用していますが、芳香剤の臭いがしたのはドラッグストア製品を扱っている大手のお店のみです。そのためドラッグストア製品と食品を併せて販売している会社は気をつけています。
例えば以下のようなお店は有名ですね。
- 楽天24
- 爽快ドラッグ
- ケンコーコム
誤解しないでいただきたいのですが、上記で買うと芳香剤の臭いがするというわけではありません。私も普段から利用していて何十回も使っているお気に入りのお店です。……が、何度か経験があるのもまた事実。一時期これらのショップでの食品は、缶や瓶、パッケージが二重になっているようなもののみに控えている時期もありました。
とは言え、ここ2~3年は個人的には無くなりました。実際のところはわかりませんが、ユーザーのクレームで改善している可能性もありますね。
購入前にレビューを確認する
商品に問題がある場合や、お店の保管状態が悪い場合は、レビュー・口コミを見ればある程度回避できます。問題があれば、最近投稿されたレビューのうち☆1や☆2を読めば大抵臭いに関することが書かれているからです。
楽天市場のレビュー例
ただしレビューが少なすぎる商品の場合はこの手も使えないのでご注意ください。
まとめ
ネット通販を利用する際、どうしても一定の割合で当たってしまう不快な臭い。その臭いの種類や原因、対策などについてご紹介しました。
原因が多岐にわたるため、どこに起因するものか判別しづらいこともありますが、推測・対処の参考にしていただければ幸いです。
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